2023年(令和5年) 10月20日(金)付紙面より
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高校生を対象に県庄内保健所(蘆野吉和所長)が主催した看護師体験セミナーが17日、酒田市の日本海総合病院(橋爪英二院長)で開かれ、市内の高校生が座学と実技で看護師の仕事に理解を深めた。
庄内地域では、2020年12月時点で、人口10万人当たりの看護師数が1002・5人と、県平均の1129・8人より少なく、看護職の人員確保が喫緊の課題となっている。同セミナーは広く高校生から看護の仕事に理解を深めてもらい、看護師確保の環境づくりを図ろうと、同保健所が2013年から毎年企画。
この日は1、2年男女26人が参加。初めに同保健所保健企画課の保健師が県内で看護資格を取得する方法や看護学校・養成所について紹介した後、同病院看護師の増田あこさん(23)が仕事の魅力ややりがいについて講話した。
スキルアップのために目指すことができる認定看護師の解説や同病院の設備やスタッフの紹介の後、実技講習が行われ、AED(自動体外式除細動器)の使用方法を含む心肺蘇生法、正しい手洗いの仕方などを学んだ。
肺の音を聞く講習では、症状によって異なる呼吸音を再現する人形に聴診器を当て、ぜんそく、肺炎などさまざまな症状の呼吸音を聞き比べていた。
受講した酒田光陵高2年の三浦莉瑚(りこ)さん(17)は「病気によって呼吸音の違いを聞き分けられるのが格好いいと思った。これまで漠然と看護師を目指していたが、今日のセミナーで明確に目指したいと思い、進路が見えた」と将来の希望について話した。