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2023年(令和5年) 10月24日(火)付紙面より

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「早い段階から直木賞意識」 文藝春秋川田さん 作家デビュー当時の藤沢周平語る

 鶴岡市出身の作家・藤沢周平(1927~97年)の直木賞受賞50年を記念する講演会が22日、同市の荘内神社参集殿で開かれた。小説誌「オール讀物」の新人賞を受賞し作家デビュー後、直木三十五賞(直木賞)受賞に至るまでの道のりについて、文藝春秋第二文藝部長の川田未穂さんが語った。

 講演会は、藤沢周平の直木賞受賞50年記念企画展を開催している鶴岡市立藤沢周平記念館が、同展関連イベントとして企画。地元をはじめ東北各県や関東圏などから足を運んだ100人余りの藤沢ファンが聴講した。

 講師の川田さんは東京生まれ。早稲田大人間科学部スポーツ科学科卒業後、文藝春秋に入社し、「週刊文春」「Number」「Title」など各誌で取材、編集現場を経て、2020年女性初の「オール讀物」編集長に就任した。

 川田さんは作家・菊池寛が親交の深かった直木三十五、芥川龍之介の2人をしのび直木賞、芥川龍之介賞(芥川賞)の2つを創設した経緯を踏まえ、藤沢周平の作家デビューについて「藤沢さんは1971(昭和46)年に『溟い海』で第38回オール讀物新人賞を受賞した。当時の同誌にはオール讀物新人賞が直木賞への最短コースとうたっていることから、藤沢さんは早い段階から直木賞を意識していたと思われる」と解説した。さらに「藤沢さんは第65回、66回、68回と3回も直木賞候補に挙がりながら受賞がかなわず、72年に『暗殺の年輪』でついに第69回直木賞を受賞した」と述べ、当時の記者会見の様子をスライドで披露した。

 また、「藤沢さんは女性の視点から見ても女性の描き方がとても素晴らしく、後進の多くの女性作家に影響を与えている。さらに後進の作家に対して業界で『藤沢周平の域を出ていない』と批評が出るなど、司馬遼太郎とともに歴史小説、時代小説の作家として大成するにはこの2人を越えなければならないとも言われている」と話した。

 最後に「作家デビューと大きな評価を得るまでオール讀物と直木賞に関わった2年間は、藤沢さんにとって濃密な時間だったのではないだろうか」とまとめた。

藤沢周平の作家デビューから直木賞受賞までの道のりについて語る川田さん
藤沢周平の作家デビューから直木賞受賞までの道のりについて語る川田さん



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