2023年(令和5年) 10月26日(木)付紙面より
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津波や洪水などの災害発生を想定した避難所開設訓練が22日、遊佐町の旧吹浦小体育館で行われ、屋内用テントや段ボールベッドの設営、簡易トイレの使い方の学習などに取り組んだ。
同町吹浦地区まちづくり協議会(筒井義昭会長)が、高台にあるため実際の災害時にも避難所になる同校で、昨年に引き続き実施。今年は「福祉とつながろう」をテーマに、福祉用品などの展示や話を聴きづらい人のための要約筆記者の配置なども行った。
同協議会の生活安全部員や各集落長、消防団員と避難者役の住民ら合わせて約70人が参加。体育館そばの防災倉庫から関係資機材を運び出し、プライバシーを確保できる屋内用テント、切り抜かれた段ボールを組み合わせて作るベッドの設営、ブルーシートとパイプ椅子などを置いた「思いやりスペース」の確保など、実情に沿った訓練を繰り広げた。
避難してきた住民たちは避難所内を自由に見学。テントに入れられた段ボールベッドの座り心地や寝具合を確かめたり、福祉用品などのタマツ(本社・鶴岡市美咲町)の玉津弘之社長らから、水洗式ポータブルトイレやバケツなどでも利用できるトイレ処理袋の使用法などを熱心に聞いた。
見学した防災士で鶴岡市防災アドバイザーの佐藤薫さん(66)は避難所開設訓練について「繰り返し取り組み、慣れることが最も大事。災害時に来れない人が出るので、一人が複数の役割をこなせるようにすると良い」と指摘。筒井会長は「いざという時にどういう行動を取ればいいかを知る貴重な体験になったのでは」と話した。