2023年(令和5年) 10月26日(木)付紙面より
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今年で62回目を迎えた遊佐町民俗芸能公演会が22日、町生涯学習センターホールで開かれ、町内外の7団体がそれぞれ継承する民俗芸能を披露した。
遊佐に伝承されている数多くの民俗芸能の保存を図るとともに、先人から受け継がれてきた伝統文化を町民から再認識してもらおうと、町民俗芸能保存会(太田幹人会長)と町、町教育委員会が1960年から毎年、町芸術祭に参加する形で開いている。
コロナ禍の影響でここ数年は中止、規模縮小が相次いだが、今年は制限のない開催。いずれも同町の杉沢比山保存会、蕨岡延年の舞保存会、横町神代神楽保存会、内の目おかめ神楽保存会と共に、「兄弟市町」の盟約を締結する宮城県大崎市(旧鳴子町)の鬼首神楽保存会、隣接する秋田県由利本荘市の本海獅子舞番楽、酒田市指定無形民俗文化財「庄内出羽人形芝居」を受け継ぐ人形遣い師、津盛柳貳郎(りゅうじろう)さん(69)=同市広野=が出演した。
鎌倉時代から杉沢地区に伝わるとされる国指定重要無形民俗文化財「杉沢比山(ひやま)」で演じられる「景政(かげまさ)>」で幕開け。大崎市鳴子温泉郷にある鬼首地区に伝わる鬼首神楽(同市指定無形民俗文化財)は、太鼓と鐘の音に合わせ3人の舞手が「鶏舞(とりまい)」を披露。華やかで優雅な姿に観客から喝采を浴びた。
開会行事で時田博機町長は、ユネスコ無形文化遺産に登録されているアマハゲ、そして杉沢比山に触れた上で、「制限なく普通に開催できることは何より素晴らしいこと。大きな拍手・声援で各団体を励まして」と述べた。