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2023年(令和5年) 10月31日(火)付紙面より

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北の若新入幕(東17枚目)果たす 酒田から40年ぶり若瀬川以来 兄弟子の隠岐の海 「あとは頼むぞ」託す

 日本相撲協会は30日、九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)の新番付を発表、酒田市出身の北の若(22)、本名・齋藤大輔、八角部屋=が新入幕(前頭東17枚目)を果たした。秋場所は十両東2枚目で8勝7敗と勝ち越した。通例昇進には微妙なラインだが番付運の良さがあった。十両在位11場所と2年近くとどまったが、待望の幕内昇進。今後の活躍が期待される。

 高校横綱を張った大器が幕内昇進を決めた。地元・酒田にとって、若瀬川(故人)以来、約40年ぶりの幕内力士誕生。若瀬川さんは前頭筆頭まで昇進したが、惜しくも三役まで届かなかった。その分まで北の若に対する注目度は高まる。

 十両通過11場所と苦労した。1場所違いで先に十両昇進した同学年・平戸海には入幕でも先を越され、この九州では幕内8場所目と定着している。また熱海富士、北青鵬、伯桜鵬と自分より入門が遅かった年下の力士にも幕内昇進で後れを取った。

 太ももの負傷に加え、いなされると腰が伸び、簡単に手をつく相撲もあった。腰の硬さは解消されていない。

 それでも秋場所14日目、十両優勝した一山本に立ち合い一気の攻めを貫き、突き落としに破り、8勝目を挙げた一番は見応え十分だった。勝ち名乗りを受けた時の所作にまで戦う男の気合が残っていた。

 八角部屋の兄弟子で元関脇・隠岐の海(38)の引退相撲(9月30日)の際、一山本戦に関して尋ねたが「良く見えたのなら、そうなんでしょう」と幾分素っ気なかった。いい相撲だとしても1回限りでは駄目。常に攻めの相撲を取り続けなければ、の意思表示にも見えた。

 隠岐の海の断髪式では北の若もハサミを入れ「あとを頼むぞ」と託された。この日のため隠岐(島根県)からはチャーター機が仕立てられ、国技館内の惜別の拍手と歓声はいつまでも鳴りやまなかった。隠岐は古典相撲の地という特殊性はあるが、大相撲の長い歴史の中、力士は故郷と分かちがたいものであることを再認識させられた。江戸川柳にあるように、まさしく「江戸の大関より土地(くに)の三段目」なのだ。

 北の若を他のどこよりも応援しているのは酒田の人たちである。幕尻だけに負け越したら即十両に戻ることになる。一方で幕内の番付死守ならば故郷の人たちを大いに喜ばせ、自分にとって大きな自信になる。勝ち越し目指し、頑張るのみだ。(東京支局・富樫嘉美)


「応援していただける力士に」母の百合さん喜び語る

 母親の齋藤百合さんは、「家族みんなで喜んでいます。本人にお祝いラインを送ったら『こっからだから、俺の目標は』と返信がありました。郷土の皆さまに応援していただける力士を目指して、さらに頑張ってほしいです」と喜びを語った。


活躍する姿で地元が元気に 矢口酒田市長

 今回の昇進に矢口明子酒田市長は「本市出身の幕内力士の誕生は1983年に昇進した若瀬川関以来で、大変うれしい。けがもあり心配したが、厳しい大相撲の世界でひたむきに努力を重ねてきた賜物。さらに精進していただき近い将来、三役として活躍する姿を楽しみにしている。活躍する姿は、市民・地域に元気を届けてくれる。できる限りの応援を続けていく。『頑張れ北の若関!』」とコメントした。

塩をまく北の若
塩をまく北の若

隠岐の海の大銀杏にハサミを入れた後、一礼した北の若=9月
隠岐の海の大銀杏にハサミを入れた後、一礼した北の若=9月



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