2023年(令和5年) 11月5日(日)付紙面より
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鶴岡市加茂地区に残る2つの灯台について歴史と役割を学ぶイベント「2つの灯台ものがたり~灯台の歴史と役割、そして未来へ~」が3日、同地区で行われた。家族連れなどが加茂港内の通称・赤灯台と白の荒崎灯台を見学し、加茂地区の歴史と灯台の関わりなどについて理解を深めた。
海と日本プロジェクトin山形(山形市)主催。海と灯台ウイーク(11月1~8日)に合わせたイベントで、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環「海と灯台プロジェクト」の助成を受けて実施した。
今回は庄内一円と山形市など内陸から合わせて約20人が参加。同地区の「渚(なぎさ)の交番カモンマーレ」に集合し、初めに近くの赤灯台(加茂港西内防波堤灯台)を見学した。ガイド役は加茂地区の住民たちでつくる一般社団法人大好きな加茂(佐藤浩之代表理事)のメンバー4人が務めた。
ガイドから「赤灯台は2015年に廃止が決定したが、1800人ほどの署名により加茂のシンボルとして残された。現在は自治振興会や住民が保存、維持している。赤いタイルを張ったつくりで高さは8・6メートル」といった解説を聞いた参加者たちはスマートフォンで写真を撮るなどしていた。
母と娘の親子3代で参加した鶴岡市の50代女性は「署名の話を聞き、地域の人たちに愛された灯台と感じた。普段は意識していない灯台だが奥深い歴史を知ることができ、参加して良かった」と話していた。
続いて市立加茂水族館近くの岬に建てられた荒崎灯台を見学。1903(明治36)年に建てられ(1952年に建て替え)、航路標識として船舶航行の安全を現役で担っている灯台の役割について学んだ。同灯台の見学中に日没の時間となり、雄大な夕日が日本海に沈む光景を参加者たちは食い入るように見つめていた。
カモンマーレに戻った後は2つの灯台の歴史を巡るパネル展を観覧。2階レストラン「ピッコロパッソ」で灯台特別ディナーコースが提供され、海の幸や庄内の旬の食材を味わった。