2023年(令和5年) 11月8日(水)付紙面より
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有識者などでつくる公立高等学校入学者選抜方法改善検討委員会の4回目の会合が6日、山形市内で開かれ、最終報告案の方向性がまとまった。今の中学1年生が受験する2026年度から、専門学科などで行われている推薦入試を廃止し、全ての公立高で前期(特色)選抜と後期(一般)選抜の2回の受験機会を設ける。
推薦入試は現在、専門学科と総合学科で実施しており、両学科の志願者は3月7日の一般入試と合わせて2度の受験機会がある。一方、最も志願者の多い普通科は一般入試のみで、受験機会の複数化を求める声が上がっていた。県高校教育課によると、現在34都道府県が普通科の受験機会を2回設けている。
前期(特色)選抜は、各校の特色やアドミッションポリシー(入学者の受け入れに関する方針)に沿って行われ、学校側が▽個人面接▽集団面接▽作文▽発表▽その他(小論文、実技、学校ごとの学力検査など)―から一~三つ選択する。時期はA日程(大学入学共通テスト後すぐの火曜日)とB日程(2月初め)から学校側が選択する。募集人員は定員の5%以上50%以内(音楽科は60%程度、体育科80%程度)とし、各校が学科ごと設定する。後期(一般)選抜は、現行の一般入試と同様に3月7日に学力検査を実施する。
また、入学者数の充足率も課題に挙げられていたことから、県外志願者の受け入れについて、「直近2年における入学定員に対する合格者数の割合が連続して9割に満たない学校」に要件を緩和することなどを決めた。今後、報告書を12月に県教育長へ提出し、県教育委員会が来年1月に改善方針を策定する。