2023年(令和5年) 11月9日(木)付紙面より
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鶴岡南高の卒業生による第53回東京鶴翔同窓会総会・親睦会が3日、都内荒川区JR日暮里駅前のアートホテル日暮里ラングウッドで行われた。来春鶴岡北高と統合され、致道館中・高が発足する。現校名最後の年の総会テーマを「こいだば、行がねばねの~!」とし、出席を促された効果もあってか230人が出席。35の円卓が設けられた着席制の大会場はにぎわった。
親睦会恒例のクライマックス「ドンッ」「ドンッ」の勇壮な太鼓の音とともに飛び入り参加も従えて旧応援団がステージに立った。伝統「鶴の舞」の披露だ。
その模様を興味深げに見守ったのが鶴岡北高如松同窓会東京支部の13人。マッチングの“お試し”として今回出席した。地元では両校同窓会が一本化されたが、南高の東京同窓会は設立時に支部ではなく独立組織としてスタートした経緯がある。今後一緒になれるかどうか“実地調査”の雰囲気もあった。
校風の違いは簡単に埋められない面も見えた。旧制荘内中学の流れを引き、男子校のバンカラな気風が残る南高は宴会に入ると、酔いは急ピッチ。青春時代の愉快なことも、みっともない思い出も酒を腹に流し込み、気持ちを緩め、大声で語り合う姿が随所で見られた。自分のテーブルの酒がなくなり、他に求めて漂流する姿もあったほど。おいしい地酒さえあれば肴(さかな)の質は問われない面があった。
一方、北高は「氣品溌溂(はつらつ)」が校風であり、女学校由来の品の良さを打ち出してきた。一年に一度の同窓会も懐かしい仲間たちとおいしく料理をいただけるかが主眼点だ。
宴会が酒優先か料理優先か?ささいなことに見えるが年1回の総会開催は双方にとって大行事。将来詰めなければならない課題になったもようだ。
校舎は隣同士だったが、近いようで遠かった両校の距離に坂田敬一会長は「きょうをきっかけに東京(の同窓会同士)も関係が親密になっていくことを期待したい」と話していた。
高校進学で分かれたが中学までは級友だった間柄も多い関係性がある。この日受付では良き融合を願うように、白布に「北鶴南」と手書きしたハチマキを額につけて対応する姿があった。
親睦会自体はアイデア豊かだった。60~70年代の校舎の写真をスライドで映し、卒業生・三原一郎さんのドローンによる故郷の映像、また「庄内うたう会」が「上を向いて歩こう」など懐かしい歌を披露した。地元産品が当たるじゃんけん大会、応援団主導の旧校歌「鳳嶺月峯」、「山河の姿うるわしく」の現校歌斉唱まで全く飽きがこない2時間半だった。(東京支局)
▽主な来賓 鶴岡南高鶴翔同窓会・齋藤正志会長、鶴岡南高・遠田達浩校長、鶴岡市東京事務所・石川聡所長(市長代理)、鶴岡北高・如松同窓会東京支部・油井智子支部長ほか庄内各校東京同窓会関係者
いきなりコスプレ
○…いきなりのコスプレで驚かせたのが鈴木良清実行委員長(1977年卒、84回生)。開会のあいさつで松田優作(探偵物語)ふうのハット姿で現れた。これで会の雰囲気が一気にくだけたものになった。MC(司会)の砂原(旧姓斎藤)実喜子さんも軽妙な進行を見せた。応援団では現役時代は縁がなかった三木(旧姓丸山)美智・実行委副委員長が奮闘の「鶴の舞」を見せた。