2023年(令和5年) 11月9日(木)付紙面より
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山形大農学部(村山秀樹学部長)、東北公益文科大(神田直弥学長)、鶴岡工業高等専門学校(太田道也校長)の庄内地域の3つの高等学術機関と荘内銀行(松田正彦頭取)は7日、魅力ある庄内地域づくりに向け、4者が相互に連携して活動することを目的とした連携協定を締結した。それぞれが有する強みや資源を生かし、若者の定住や人材育成、創業支援、空き家・空き店舗の活用、再生可能エネルギーなどの推進による脱炭素社会の形成などに連携して取り組む。
人口減少や高齢化の進展、若者の流出などにより、地域の経済、社会などさまざまな面で活動の停滞が懸念されるとともに、国が進める脱炭素社会の推進に向けた人材や企業の育成が大きな課題となってきている。こうした地域課題に対して共通認識を有する4者が、課題解決に向けたアイデア出しと具体的な取り組みの推進に向け手を結んだ。荘内銀行に連携推進事務局を置き、当面は互いの学生同士の交流や地元企業と学生たちとの交流の促進を検討する。
鶴岡市の荘内銀行本店で、4者の代表が集まり、締結式が行われた。趣旨説明で松田頭取は、同行と3高等学術機関がそれぞれ連携協定を結んでいることを紹介した上で、「目的は若者が定住したいと思える、元気で活力のある、魅力的な庄内地域にすること。4者連携に発展させることで、こうした取り組みを加速し、力強いものにできる」と説明した。
3高等学術機関を合わせると、在学する学生数は約2500人に上る。村山学部長は「庄内地域には学生が多くいることを、地域からもっと評価してもらいたい。農学部だけの『個人戦』でなく、3機関による総合大学を形成し、地域としての魅力を高めたい。まずは学生同士の交流を図りたい」、神田学長は「地元企業との連携も重要。各校それぞれの異なる分野の知見を生かし、これまでは難しかった地域課題の解決にも連携して取り組める」、太田校長は「工学系をベースに他分野への興味関心を広げ、イノベーションを起こすような新しい人材育成に向かいたい」とそれぞれ連携を軸にした思いを述べた。