2023年(令和5年) 11月11日(土)付紙面より
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仙台国税局は10日、2023年東北清酒鑑評会の成績を発表した。東北6県の148製造場から吟醸・純米両部門に計277点が出品され、本県は15製造場の22点が優等賞を獲得。庄内関係では吟醸酒の部で8蔵元、純米酒の部で3蔵元が受賞した。両部門それぞれ、優等賞の中でトップ3が最優秀賞(1点)と評価員特別賞(2点)に選ばれ、吟醸酒の部で酒田酒造(酒田市)が醸した「上喜元」が評価員特別賞を受けた。
本県からは今回、吟醸酒の部に32製造場38点、純米酒の部に26製造場28点が出品され、10月上旬に仙台市の仙台国税局で審査が行われた。県別の出品数は福島が36製造場69点で最も多く、次いで本県が35製造場66点と多かった。両部門を合わせた本県の優等賞獲得数は福島に次いで東北2番目。 清酒鑑評会は、清酒の製造技術と品質の向上を目的に同国税局が1962(昭和37)年から毎年実施している。昨年12月から今年2月ぐらいまでに醸造され、半年ほど貯蔵・熟成させた清酒を対象に品質評価を行い、優秀な成績を挙げた蔵元を顕彰している。
庄内関係で優等賞を獲得した製造場と代表銘柄は次の通り。
◇吟醸酒の部▽亀の井酒造(鶴岡市、くどき上手)▽竹の露(同、白露垂珠)▽冨士酒造(同、栄光冨士)▽菊勇(酒田市、三十六人衆・飛天)▽酒田酒造(同、上喜元)▽麓井酒造(同、麓井)▽松山酒造(同、松嶺の富士)▽杉勇蕨岡酒造場(遊佐町、杉勇)
◇純米酒の部▽冨士酒造(鶴岡市、紅葉に鹿)▽酒田酒造(酒田市、上喜元)▽杉勇蕨岡酒造場(遊佐町、杉勇)
評価員特別賞 酒田酒造が受賞
今回の鑑評会で県内で唯一、評価員特別賞(吟醸酒部門)を受賞した酒田酒造(酒田市日吉町二丁目、佐藤正一社長)への賞状伝達式が同社内で行われ、仙台国税局の船木英人課税第二部長が佐藤社長に、和文・英文で書かれた清水雄策局長名の賞状を手渡し、「日頃から清酒醸造技術の向上に努め心から敬意を表する。酒造業界の健全な発展のため、今後も力添えを頂きたい」と清水局長の祝辞を代読した。
これを受けて佐藤社長は「『上喜元』は上質な喜びを得る元になってほしいという願いを込めて名付けられたもの。飲んで楽しみ、心豊かになってもらえたらという思いで常に製造している。東北の鑑評会は全国よりも狭き門で大変うれしい」と。そして「先日酒田港に寄港した外航クルーズ船の乗客から飲んでもらい、良い評価を頂いた。酒田は全国で唯一、酒という字が付く市。酒田の酒を全国、世界に向けて発信していきたい」と続けた。