2023年(令和5年) 11月19日(日)付紙面より
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酒田警察署(熊坂嘉幸署長)管内の中学・高校の美術部員たちが制作した絵画が酒田市のJR酒田駅地下道の壁面を彩り16日夕、開所式が行われた。地下道は明るく華やいだ雰囲気となり、新しくなった絵を眺めながら行き来する歩行者の姿が見られた。
2003年に同地下道で発生した恐喝未遂事件などを契機に、市と同署が翌年から駅周辺の環境浄化などを目的に「地下道アートギャラリー」と称して企画。酒田・遊佐両市町の中学・高校の美術部員たちの協力で、毎年この時期に絵画を更新している。
20回の節目を迎えた今年は各校自由なテーマで作品を制作。地下道通路の中央部左右の壁面にいずれも縦90センチ、横180センチの大きさの絵画計12点(中学8点、高校4点)を飾った。
この日、酒田駅前交流拠点施設「ミライニ」で行われた開所式には、絵画制作の代表生徒たちと共に市、JR酒田駅、酒田地区少年補導員連絡会などから関係者が出席。同市の村上祐美市民部長が「皆さんの描いた絵によって地下道が明るくなり、道行く人たちの安心感につながっている。今後も犯罪のないまちづくりになることを期待している」と矢口明子市長のメッセージを代読した。
その後、出席者は地下道に移動し、生徒代表の9人がテープカットした。
傘福と夕焼け空を描いたものや、ラーメンの丼の中に北前船や獅子舞など酒田の魅力を詰め込んだもの、日本海の夕日と鳥海山といった遊佐町の情景を表した作品など、酒田、遊佐を代表する題材を選んだ作品が並び、地下道に明るい雰囲気を醸し出している。
「出かけよう酒田の思い出」と題して、観光スポットや大獅子、夕日などを描いた酒田二中美術部の長沢佳夜奈(かやな)部長(14)は「部員みんなで協力して描いた。地下道を通る人たちに見てもらえたらうれしい」と話した。同署によると、来年秋まで飾るという。