2023年(令和5年) 11月25日(土)付紙面より
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鶴岡市山五十川の河内神社の例祭「秋祭典」が23日、山五十川公民館で行われた。同地区に伝わる県指定無形民俗文化財の「山戸能」と「山五十川歌舞伎」が奉納上演され、訪れた見物客が役者たちの熱演に見入った。
山戸能は平安時代初期に能楽が伝わったことが起源とされ、山五十川歌舞伎は江戸時代中期に神事に関連した村芝居として始まったとされている。能は1964年、歌舞伎は86年にそれぞれ県の無形民俗文化財に指定された。一つの地域に能と歌舞伎が伝承されているのは全国的に珍しく、現在は山五十川古典芸能保存会の下、山戸能一座と山五十川歌舞伎一座が伝承している。
能では、稚児舞の「恋慕の舞」や五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する「式三番」、弁財天の美しい舞と龍神の勇ましい舞が見どころの番能「竹生島」が上演された。
歌舞伎では「仮名手本忠臣蔵」の「山崎街道鉄砲渡しの場・同二つ玉の場」と「与市兵衛内勘平内切腹の場」を上演。地元役者の熱演に観客からは大きな拍手が送られていた。