2023年(令和5年) 12月2日(土)付紙面より
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酒田市内の高校に通う生徒たちから「ゼロから事業を創(つく)り出す人=起業家」に必要な精神と資質、能力を育んでもらうことを目的にした「アントレプレナーシップ育成講座」の最終発表会が30日夕、市産業振興まちづくりセンター・サンロクで行われ、酒田東、酒田南の生徒5組10人が自ら構築したビジネスプランを披露。生徒たちは今月15日(金)に行われる総務省東北総合通信局主催「SPARK!TOHOKU2023 Startup Pitch」で今回のプランを発表する。
アントレプレナーシップは資金や時間、リスクといったさまざまな制約を乗り越え、社会に変革をもたらす好機を追い求める「起業家精神」のこと。
今回の育成講座は、「データサイエンスとアントレプレナーシップで地域と世界を支える科学技術系人材を生み出す教育プログラムの開発」をテーマに2025年度まで5カ年、文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール」の指定を受けた酒田東高(齋藤一志校長)と、サンロクが学官連携プロジェクトとして初企画。山積する課題の解決に向け将来、具体的な行動を起こし、活躍できる人材を目指す生徒たちを応援するのが狙い。
酒田東と酒田西、酒田光陵、酒田南の生徒たちが受講し今年6月以降、計9回にわたって講師を務めた平尾清さん(市政策参与、青山学院大非常勤講師)、若手人材育成コンサルタントなど手掛けるSEAFOLKS(東京)の三宅裕介社長らのアドバイスを受けながら、ビジネスプランの出来栄えを競う「SPARK!TOHOKU」へのエントリーを目指してビジネスプランを練ってきた。
この日は齋藤校長はじめ各校教員、サンロクスタッフらが見守る中、生徒たちは発表。経済的な理由で塾に通えない地方の高校生をターゲットに、「オンライン塾」を提供するビジネスプランを構築した男子生徒3人は、「卒塾した学生が指導したり、首都圏などで同様の活動を展開している大学サークルと連携することも考えている。経済格差が教育格差であってはいけない」と。「世界一の映画館」と評された「グリーンハウス」の存在を知ったことをきっかけに「酒田に映画館がほしい」と題して発表した女子生徒4人は「映画館があったら地域活性化につながるはず」と考え、「和モダン」をコンセプトにした映画館を市内に建て、県内外から集客するプランについて述べた。
生徒たちは今後、構築したプランをさらにブラッシュアップさせて「SPARK!TOHOKU」に臨む。