2023年(令和5年) 12月8日(金)付紙面より
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池や沼などに自生する一年生の水草「ヒシ」の活用を考える「全国ヒシサミット2023in鶴岡」が17日(日)午後1時半から、鶴岡市自然学習交流館ほとりあで開かれる。ヒシの実や殻などを使って特産品開発やまちづくりに生かしている佐賀県と福島県の関係者が話題提供し、ほとりあの担当者らが同市の大山上池、下池産のヒシの活用事例を紹介する。
ヒシは葉が水面に浮く浮葉植物で、富栄養化した全国各地の池などで自生する。多くの実をつけ保存も利き、かつては食材や薬として活用された。現在は、そうした利用もなくなり、夏場に水面を覆う大量のヒシが秋には枯れて腐敗し水質に影響を及ぼすなど“厄介者”扱いされているという。
ほとりあの上山剛司副館長兼学芸員によると、大山上池・下池にも生育し、下池では近年、6―9月に水面の7―8割を占める状況。人の暮らしに深く関わっていたヒシについて改めて考えてみようと、地元関係者などによる庄内自然博物園推進協議会が、大山上池・下池のラムサール条約登録湿地15周年記念事業の一環でサミットを企画、開催する。
「みんなで感じよう!湿地の魅力!ヒシの魅力」と題したサミットでは、ヒシの実で焼酎をつくったり、ポリフェノールが含まれる殻を粉末にして菓子に活用するなどの地域おこしを進める佐賀県神埼市「ヒシプロジェクト」の安田みどり西九州大教授、ヒシの実でお茶を製造する福島県猪苗代町の長友海夢いなびし社長がそれぞれの取り組みを基に話題提供する。
地元からは上山さんが下池産のヒシを活用した土壌の堆肥化、家畜の飼料化などについて紹介し、ほとりあのサークルメンバーがヒシの実染めの取り組みを紹介する。参加者には「ヒシの実ぜんざい」の振る舞いもある。
参加費は寄付制(1人500円以上)で、定員40人。15日(金)まで申し込みを受け付けている。問い合わせ、申し込みはほとりあ=電0235(33)8693=へ。