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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 12月15日(金)付紙面より

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家坂亭の「小松屋」「ケルン」開店 酒田の名店15日再始動観光施設の新スポット

 酒田を代表する銘菓「呉竹最中」などを製造していた御菓子司「小松屋」、カクテル「雪国」の生みの親、故井山計一さんが開業した純喫茶兼バー「ケルン」が15日、酒田市船場町一丁目の酒田湊旧廻船問屋「家坂亭」敷地内で再始動する。家坂亭主で小松屋を再興する小松尚さん(71)=9代小松屋又三郎=は「全国的に『らしさ』が失われる中、『古里らしさ』を感じてほしい」と話している。

 小松屋は1832(天保3)年創業の老舗和菓子店。同市日吉町一丁目に本店を構え、餡に青のりを練り込んだ「呉竹最中」「呉竹羊羹」などの銘菓を製造していたが、消費者の嗜好(しこう)の変化もあって2019年7月に事業継続を断念した。

 一方、ケルンは井山計一さんが1955年、柳小路に開業。ウオッカをベースにした「雪国」は世界で愛され、バーテンダーの“聖地”に。計一さんの死去後、長男の井山多可志さん(71)が店を引き継いだが、店舗老朽化に伴って5月末で閉店を余儀なくされた。

 「家坂亭」は、北前船の往来がもたらした酒田の歴史や生活、文化を広く紹介するとともに、気軽に集まり語り合える場にしようと、同市の仮設機材工業(西村修社長)が開設。小松さんが亭主として施設を活用したさまざまなイベントを展開している。老舗の再始動に向け小松さん、井山さんはクラウドファンディングを実施し、いずれも目標金額を超える賛同を集めた。ケルンは椅子やテーブルなど旧店舗で使っていたものを使用。小松屋は呉竹最中などのほか、季節の素材を用いた和菓子も提供する。

 小松さんは「日和山かいわいを散策してもらい、酒田の歴史を感じてほしい」、井山さんは「ケルンは『道標』の意。お客さん同士で会話が弾み、ここから何かが始まったら」と話している。営業時間は、ケルンが連日午前10時―午後5時。金、土曜のみ午後7―10時の夜間営業を行う。小松屋は午前10―午後4時で、毎週月、火曜定休。

店舗前で記念写真に応じる井山さん(左)と小松さん
店舗前で記念写真に応じる井山さん(左)と小松さん


2023年(令和5年) 12月15日(金)付紙面より

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庄内農高へようこそ 台湾の姉妹校生と交流

 鶴岡市の庄内農業高校(坂井孝朗校長)と姉妹校の盟約を結んでいる台湾の国立苗栗高級農工職業学校(謝世宗校長)の訪問団が13日、庄内農業高を訪れた。苗栗校の生徒12人がすしの握り方を体験したり庄内の郷土料理を会食し、庄農生徒と交流を深めた。

 歓迎式典では坂井校長が「2018年以来、5年ぶり3回目の訪問団を迎えることができてうれしい。これからも日本と台湾の友情の花が末永く咲き誇ることを願う」、謝校長が「皆さんから熱烈な歓迎を受け感激している。絆をさらに深めたい」とあいさつした。

 生徒を代表として川合優太さん(3年)が「交流できるこの日を楽しみにしていた」と創立122年を迎えた学校の沿革や学習の取り組みを紹介。苗栗校の林寛さん(2年)が「日本の人も文化も好き。機会があれば台湾に来てください」と笑顔で話した。苗栗校の生徒は昼食で庄内風芋煮を会食。すしの握り方を教わり日本の食文化に触れた。

 台北から南へ約110キロの所に位置する苗栗高校の全校生徒は約1600人。畜産保健科や森林科、電気科などがあり、農業と工業を専門に学んでいる。

 庄内農業高とは2009年の研修視察がきっかけとなり、翌年に庄農生徒が修学旅行で台湾を訪問。本格的な相互交流がスタートした。農業を中心に国際的な視野を広げようと13年には両校が「学術交流協力協定」(姉妹校)を結び、今年で10年目を迎えた。来年は庄農生徒(現在の1年生)が苗栗校を訪問する。

庄農生徒が苗栗校生徒の名前を書いたプラカードを持ち一緒に体育館に入場。大きな拍手で迎えられた
庄農生徒が苗栗校生徒の名前を書いたプラカードを持ち一緒に体育館に入場。大きな拍手で迎えられた

庄内農業の難波月愛(るる)さん(左)と林さんが「ペナント」を交換し、両校の末永い友情を誓った
庄内農業の難波月愛(るる)さん(左)と林さんが「ペナント」を交換し、両校の末永い友情を誓った


2023年(令和5年) 12月15日(金)付紙面より

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次世代に語り継ぐ願い込め分かりやすく表現 飛島に伝わる民話 「トドの恩返し」

アニメ完成 酒田でお披露目
海ノ民話のまちプロジェクト

 海にまつわる民話や伝承を後世に伝える、一般社団法人日本昔ばなし協会(沼田心之介代表理事)と日本財団「海と日本プロジェクト」の事業「海ノ民話のまちプロジェクト」で、酒田市飛島に伝わる民話「トドの恩返し」のアニメが完成し13日、お披露目会が市役所で行われた。同プロジェクトによるアニメ化は、鶴岡市の「湯野浜の大亀」に続いて県内で2例目。

 海とのつながりと地域の誇りを次世代に語り継ぐことを目的に、全国各地に伝わる海にまつわる民話をアニメ化し、話に込められた「教訓」を子どもたちに分かりやすく伝えようと2018年から取り組んでいる。昨年度までに長野県小海町の「くじらの夫婦」や愛媛県伊方町の「速吸瀬戸の守り神」など、40自治体に伝わる42の民話をアニメ制作している。

 「トドの恩返し」は飛島にトドの群れが生息していた頃、親からはぐれた子トドを助けた漁師が、母トドからお礼としてイカや魚がたくさん取れる場所を教えてもらう、というストーリー。人気番組だった「まんが日本昔ばなし」の制作を担当した沼田代表が監督を務め、構想を練って約5分半のアニメに仕上げた。

 この日は沼田代表らが市役所を訪れ、矢口明子市長にDVDなどを手渡した。アニメを見た矢口市長は「とてもかわいらしく、島の特徴が分かるアニメ。酒田市のPR動画の一つとして、ぜひ定期船や海のイベントなどで上映し、多くの人に島のことを知ってもらいたい」と感想を述べた。

 沼田代表は「子どもたちがこの民話を聞いて島に行けば、学ぶことがあるのではと思い、この話を選んだ。昔話には海との共生や生き物の大切さなど先人の教えなどが含まれている。アニメを通して現代の子どもたちに郷土の文化や精神を感じてもらいたい」と話した。

 「トドの恩返し」は今後市内の教育機関などで無料上映するほか、YouTube、同プロジェクト公式サイトでも見ることができる。アドレスはhttps://uminominwa.jp/
 DVDの購入や動画に関する問い合わせは同プロジェクト事務局=電080(9264)3366=へ。

矢口市長にDVDを手渡す沼田代表(左から4人目)
矢口市長にDVDを手渡す沼田代表(左から4人目)

アニメ「トドの恩返し」(提供・日本昔ばなし協会、日本財団)
アニメ「トドの恩返し」(提供・日本昔ばなし協会、日本財団)


2023年(令和5年) 12月15日(金)付紙面より

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第67回県学校新聞コンクール 「荘内日報社賞」6点表彰

 第67回県学校新聞コンクール(県新聞教育研究協議会主催、荘内日報社、毎日新聞社共催)の「荘内日報社賞」表彰式が13日、鶴岡市の鶴岡商工会議所会館で行われ、学校新聞や学級新聞などで受賞した各校の代表に表彰状が贈られた。

 今回は学校新聞、学級新聞、学習新聞、PTA新聞(広報)の部に計45点の応募があった。先月21日に酒田市内で審査会を行い、入賞・入選を決めた。

 優秀賞の荘内日報社賞を受賞したのは小学校学校新聞の部が朝暘三小の「朝三新聞」、中学校学校新聞の部が余目中の「余中新聞・大輪」、学級新聞の部が朝暘一小1・2年サポート2組「げんきっこ」、学習新聞の部が浜中小の6年1組と3年1組、PTA新聞の部が亀ケ崎小の「ひなづる」の計6点。

 表彰式には各校の児童、担当教諭、保護者らが出席。県新聞教育研究協議会の齋藤禎行会長(朝暘五小校長)が開会あいさつでお祝いを述べ、橋本政之荘内日報社社長が代表者に表彰状と記念のトロフィーを贈り、「皆さんが作った新聞には地域と保護者、学校をつなぐ役割があり、コミュニケーションを高める大事なもの。今年の新聞週間の代表標語は『今を知り 過去を学んで 明日を読む』だった。地域の今を知って歴史を学び、より良い新聞作りに頑張ってほしい」と述べ、各校の頑張りをたたえた。

 受賞した朝暘三小新聞委員会の土佐林瑞貴委員長(6年)は「頑張ったことが認められて、とてもうれしい」と話した。

「荘日賞」を手に笑顔の受賞者ら=鶴岡商議所会館
「荘日賞」を手に笑顔の受賞者ら=鶴岡商議所会館



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