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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 12月16日(土)付紙面より

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庄内空港通年5便化実現機能強化求める

 庄内地域の5市町や経済団体などでつくる庄内開発協議会(会長・矢口明子酒田市長)は14日、吉村美栄子知事に庄内空港の機能強化に関する要望書を提出し、庄内空港発着の羽田便の通年5便化の実現などを求めた。

庄内開発協知事へ要望書
 庄内―羽田便は、運航する全日本空輸(ANA)の本年度夏ダイヤで期間限定の5便化が実現。新型コロナウイルス感染症が5類に移行した5月には搭乗率が70%を超えるなど好調に推移し、11月―来年3月の冬ダイヤでの5便運航につながった。先月には新型コロナの5類移行後初となる庄内空港発着の国際チャーター便が韓国との間で運航され、インバウンド需要回復への期待も高まっている。

 この日、矢口会長、副会長の皆川治鶴岡市長、加藤聡酒田商工会議所会頭、上野雅史鶴岡商工会議所会頭、上野隆一庄内地区商工会広域連絡協議会長らが県庁を訪れ、▽羽田発着枠政策コンテストによる通年5便化の実現▽国際チャーター便の誘致推進、空港ターミナルビル内の国内線と国際線の動線分離、CIQ(税関、出入国管理、検疫)体制の整備▽滑走路2500メートル化の推進―を求めた。

 矢口会長が「機能強化で庄内地域への移住者の増加、企業誘致なども期待される」と述べ、要望書を提出した。吉村知事は政策コンテストについて「現在の枠の配分期間が2025年3月までで、現時点で次のコンテストの日程は示されていないが、全日本空輸に要望し、次のコンテストを見据えて利用拡大の取り組みを進めていく必要がある」とした。動線分離については「ターミナルビルを管理する庄内空港ビルと連携し、機能強化に向けた検討を進めている」と述べた。

庄内空港機能強化の要望書を吉村知事に手渡す矢口庄内開発協会長(左)
庄内空港機能強化の要望書を吉村知事に手渡す矢口庄内開発協会長(左)


2023年(令和5年) 12月16日(土)付紙面より

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サリバテック(鶴岡)特別賞 ニッポン新事業創出大賞 アントレプレナー部門

 新事業・活動で革新的な商品・サービスを提供する企業を表彰する「第18回ニッポン新事業創出大賞」(公益財団法人日本ニュービジネス協議会連合会主催)のアントレプレナー部門で、慶應義塾大先端生命科学研究所発バイオベンチャー「サリバテック」(鶴岡市、砂村眞琴代表取締役CEO)が特別賞を受賞した。昨年度は同部門でヤマガタデザイン(鶴岡市、山中大介社長)が最優秀賞・地方創生賞を受賞しており、2年連続で先端研発のベンチャー企業による受賞となった。

 同大賞は、既成概念や従来の枠組みを超え、変容する社会のニーズを的確に捉えながら卓越した経営により革新的な事業を展開、急成長を遂げている企業や、旺盛な起業家精神を発揮して革新的事業に取り組む経営者を表彰している。

 アントレプレナー部門は新事業開始からおおむね5年以内、または会社設立からおおむね10年以内の未上場の企業が対象で、経営者のアントレプレナーマインド(起業家精神)、事業の新規性、革新性、実績などを審査して選定する。本年度は全国から74社の応募があり、このうち9社(うち3社が東北地方)が受賞した。

 特別賞を受賞したサリバテックは、「最先端のバイオテクノロジーとAIの融合で、未来型医療を実現する」を経営理念に掲げ、がんのリスクを手軽に検査できる「サリバチェッカー」をはじめとするスクリーニング検査事業を展開。がんを中心とする疾病の早期発見・治療に寄与している。

 審査で「唾液を用いたがんリスク検査が簡易に受けられるという手軽さの一方、最先端のバイオテクノロジーと人工知能(AI)を活用した世界有数の技術力を用いて、がんの早期発見と診断・介入が期待される」と高く評価された。

 表彰式は先月30日、広島市で開かれた「第19回JNB新事業創出全国フォーラム IN HIROSHIMA」で発表・表彰された。受賞について砂村CEOは「栄えある賞を頂き心から感謝したい。サリバチェッカーは『もっと早い段階で、がんを発見することができたら…』という医師としてのつらい経験と、一人でも多くの患者さんを救いたいという強い思いから生まれた製品。これからもがんの早期発見、早期治療に寄与できるよう尽力する」と喜びを語った。

特別賞を受賞したサリバテックの砂村CEO(左端)=サリバテック提供
特別賞を受賞したサリバテックの砂村CEO(左端)=サリバテック提供


2023年(令和5年) 12月16日(土)付紙面より

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一日一題 民俗行事が伝承に苦しんでいる

 岩手県奥州市の寺で、1000年前から伝承されてきた「黒石寺<蘇民(そみん)祭」が、来年2月の開催を最後に歴史を閉じるという。厳寒の中で下帯姿の男たちが「蘇民袋」と呼ぶ麻袋を奪い合う伝統行事。歴史を閉じることになった背景にあるのは担い手不足。

 庄内でも伝統芸能が後継者不足で維持が厳しくなっているケースもある。鶴岡市の東栄小学校は、伝統芸能「獅子踊り」を学校教育活動に取り入れ、先輩から後輩へと踊りを引き継いでいる。一方、遊佐町女鹿を中心にした国指定重要無形民俗文化財「アマハゲ」は、若者不足などから、祭事の形態までも変わりつつある。時代の流れと言って済ませることはできない気がする。

 黒石寺の説明は「祭りの中心を担う関係者の高齢化と担い手不足で、祭りを維持していくことが困難な状況になった」。「蘇民祭」は毎年2月、下帯姿の男が押し合い状態になって、疫病退散や豊作を願って蘇民袋を奪い合う。文化庁の「選択無形民俗文化財」(重要無形文化財の指定ではないが「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」)に指定されている。数年前、下帯姿の写真が風紀上好ましくないと問題視されたこともあるが、同様の裸の奇祭はほかの地域にもある。1000年の伝統が消える事は惜しまれる。

 庄内の話になる。遊佐町の杉沢熊野神社祭礼の「杉沢比山」(国重要無形民俗文化財)は、鳥海山の修験者の神楽。1978年、旧杉沢小学校が「比山体操」を考案、同校の卒業生が舞を伝承してきた。蕨岡小への統合後も学校行事として受け継いできたが、蕨岡小も今年4月に遊佐小に統合されて学校行事としてはなくなったという。

 遊佐町女鹿など3集落に伝わる「アマハゲ」(ユネスコ無形文化遺産)も少子高齢化で厳しい環境にある。アマハゲが家に上がって家人の無病息災を願うが、アマハゲを招き入れる家が少なくなった。玄関先での祭事だけでは、長年受け継がれてきた本来の風習の姿とは大きく異なってしまう。

 蘇民祭と同様、鶴岡市大岩川地区の「ケヤキ姉妹」の風習も「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」。12~13歳の女の子がわらのくじを引き、同じわらをつかんだ者が「義理の姉妹」になって生涯助け合う。江戸時代後期から続く伝統で、かつては毎年何組ものケヤキ姉妹が誕生した。しかし子どもの数が減り、適齢期の少女がいないため、何年もの間儀式が行われないことも珍しくない。

 アマハゲと同じ「来訪神」の秋田県・男鹿のナマハゲでさえ後継者不足に悩み、「ナマハゲ伝導士」の認定試験応募者を全国から募集しているほどだ。文化や伝統は時代とともに変化するものと言われるが、担い手不足も時の流れ。現実には避け難いものがある。

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2023年(令和5年) 12月16日(土)付紙面より

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行政システムや政策に理解深める 南米ボリビアのパタカマヤ市長が庄内町訪問

 南米ボリビア多民族国・パタカマヤ市のペドロ・デルガド・アロ市長ら訪問団一行が14日、庄内町役場を訪れ、富樫透町長を表敬訪問した。

 ボリビアは約120年前の日本人移住を契機に技術協力や青年海外協力隊など多方面に日本と交流。

 アロ市長は、同町が同市と人口規模が約2万人と同程度で、同じく農業を基幹産業としていることなどから同町の行政システムや政策について理解を深めようと、同市の投資・開発アドバイザーのマイルス・チュク氏が今夏に庄内を訪れていた縁などから同町の視察を決めた。

 訪問団はアロ市長、マイルス氏、法務兼市長補佐のグスタボ・フェルナンデス氏の3人。一行は今月12日に庄内入り。これまで鶴岡市内のホテルに宿泊しながら、同町の蔵元・鯉川酒造、町国際交流協会、酒田市の酒田米菓、酒田地区広域行政組合のごみ処理施設などを見学した。

 この日はアロ市長ら訪問団と地元支援者ら5人が同町役場を訪れ、富樫町長らと懇談。富樫町長が豊かな水や自然、花卉(かき)やコメなど同町について説明。アロ市長から富樫町長にボリビアで愛用されているアルパカの毛で織られたポンチョやマフラーなどがプレゼントされ、お返しに「町シルバー人材センター凧の会」が制作した龍が描かれたたこが贈られた。アロ市長は「あちこち見学したが日本は想像以上に素晴らしい。庄内町は技術と住民の温かさが融合している町。ボリビアには日本のようなゴミ処理システムがないので、なぜ日本が奇麗なのか分かった。将来、ボリビアの高校生たちが庄内町を訪れて学べるようにしたい」、富樫町長は「今回の訪問が今後の交流のきっかけになれば。ぜひまた来てほしい」とそれぞれ話していた。

 アロ市長らはその後、職員の案内で役場内の議場などを見学した。

 訪問団は15日、鶴岡市の善寳寺などを巡り、16日に帰国予定。

富樫町長(左)と懇談するアロ市長(中央)
富樫町長(左)と懇談するアロ市長(中央)

議場を見学する訪問団
議場を見学する訪問団


2023年(令和5年) 12月16日(土)付紙面より

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「梨のデアノイエ」20日発売 特産刈屋梨の発泡性ワイン 庄内酒彩倶楽部

 酒田市の酒販店主らで組織する庄内酒彩倶楽部(池田吉伸会長、8店)は、20日(水)から同市特産の刈屋梨を用いた発泡性ワイン「梨のデアノイエ」の今季の販売を開始する。池田会長は「クリスマス、年末年始のさまざまなシーンで楽しんでもらえたら」と話している。

 同倶楽部は2003年に結成。酒販を通し山形の魅力を広く全国に向けて発信しようと、地元の素材を生かしたオリジナル商品を開発・販売。さまざまな活動が評価され14年度、市制定「新田産業奨励賞」を受けている。デアノイエは、ドイツ語でその年に収穫した物で醸した新酒ワインのこと。深みはないものの、フルーティーさに富んでいるのが特徴。原料の梨は同市の刈屋梨出荷組合(佐藤尚人組合長)が生産した「豊水」と「ラ・フランス」。

 池田会長は「生搾りジュースのような濃厚な味わいで例年に比べて甘みを抑え、食中酒として最適。クリーミーな泡立ちも特徴。冷やして飲んでほしい」と。醸造元・オードヴィ庄内(同市浜中)の佐藤宅真常務は「無ろ過のため濁っているが、食事に合うよう飲みやすさを考えて造った。上品な甘みを感じてほしい」と話した。

 「梨のデアノイエ」のアルコール度数は7%で、要冷蔵。倶楽部加盟店で取り扱う他、内陸の「やまがた酒彩倶楽部」加盟店でも販売。750ミリリットル入り1本2050円(税込み)。300本の限定発売。問い合わせは同倶楽部事務局の武田庄二商店酒田支店=電0234(22)6331=へ。

20日から販売がスタートする「梨のデアノイエ」
20日から販売がスタートする「梨のデアノイエ」



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