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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 12月17日(日)付紙面より

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雪なしのシーズンイン 櫛引たらのきだい・羽黒山スキー場 無事故と積雪願う

 鶴岡市の「櫛引たらのきだいスキー場」と「羽黒山スキー場」で16日、安全祈願祭が行われた。師走に入っても温暖な日が続き両スキー場の積雪はともにゼロ。今シーズンは「雪なし」のスタートとなった。

 昨シーズン約3万2000人(営業日数71日間)の入場者を記録した櫛引たらのきだいスキー場では鶴岡市の皆川治市長や櫛引観光協会の安野良明会長、ロッジを運営する王祇建設の金内広和社長ら関係者合わせて約40人が参列。祭壇に玉串をささげシーズン中の無事故を願った。

 ゲレンデには雪がなく枯れた雑草がむき出しになっている状態。東北地方は17日から上空に寒気が入り、雪が降りやすい状態となるが、関係者は「何とか積もってほしい」と願いを込めた。同スキー場の開設は来年3月3日まで。平日はナイター営業(午後5時から同9時)、土日祝日は日中とナイター営業(午前9時から午後9時)となる。年始年末の29日から1月8日は午前9時から午後9時まで営業する。就学前の子どもはリフト無料。鶴岡市内の小中学生はシーズン券半額、1月20日、2月3日と17日のいずれも土曜日は高校生以下の日中リフトを無料サービスする。問い合わせは櫛引たらのきだいスキー場=電0235(57)5470=へ。

 一方、羽黒山スキー場でも16日午前11時からロッジに関係者約50人が参列して安全祈願祭を行った。期間は来年3月3日まで。営業時間は平日が午前9時から午後4時、土日祝日と30日から1月3日までの年末年始は午前8時半から午後4時。小学校就学前の幼児はシーズン中のリフトが無料となる。休暇村庄内羽黒ではリフト付きスキー宿泊プランなどを用意している。問い合わせは休暇村庄内羽黒=電0235(62)4270=へ。櫛引地域の「ゆ~Town」、羽黒地域の「山伏温泉ゆぽか」、藤島地域の「長沼温泉ぽっぽの湯」の各温泉施設では鶴岡市にある3スキー場(湯殿山、たらのきだい、羽黒山)のチケットを見せると入浴料が割引される。

安全祈願祭でシーズン中の無事故を願った=櫛引たらのきだいスキー場
安全祈願祭でシーズン中の無事故を願った=櫛引たらのきだいスキー場

温暖な日が続きで「積雪ゼロスタート」となった羽黒山スキー場=16日
温暖な日が続きで「積雪ゼロスタート」となった羽黒山スキー場=16日


2023年(令和5年) 12月17日(日)付紙面より

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食文化の教育ESD推進 鶴岡市でフォーラム

 食や食文化を通してSDGs(持続可能な開発目標)やESD(持続可能な社会づくりの担い手を育む教育)の取り組み推進、理解促進を図る「食文化教育フォーラムin庄内~ESD/SDGsの視点から考える食文化~」が15日、鶴岡駅前のマリカ西館市民ホールで開かれた。

斎小と外内島きゅうり事例紹介
 日本ESD学会(本部・仙台市)と鶴岡市などでつくる実行委員会(事務局・鶴岡食文化創造都市推進協議会)主催。ESDは「持続可能な社会の実現のためには教育が必要不可欠」という考え方で、鶴岡市でESDに関するフォーラムが開かれるのは今回が初。

 鶴岡市をはじめ内陸や宮城県などから教員や学生、一般市民など約80人が出席。初めにESD地域研究会in庄内実行委員長で日本ESD学会の見上一幸会長が「現代は人口増加や気候変動による食料生産の危機、それに伴う貧困など大きな課題に直面している。そうした中、ESDを推進する上で地域にこそさまざまな特色ある教育的資源がある。食文化はその一つで、多彩な行事食や伝統食、在来作物に恵まれた鶴岡市でフォーラムが開催されることをうれしく思う」とあいさつした。

 続いて山形大農学部の江頭宏昌教授が「在来作物の魅力と課題」と題し講演。江頭教授は庄内地方の在来作物について「約90種類あり、うち60種が鶴岡地区にある。だだちゃ豆や金峰山周辺(谷定・湯田川)の孟宗などはその最たるもの。西荒屋の甲州ブドウは江戸期に酒井家家老が持ち込んでおり、これも在来種と言える」と解説した。

 また、在来作物継承の課題として「栽培を継承しようとする人々の気持ちを支えるものは何か、現代の価値観に合いにくい作物を守る意義について多くの人と共有する必要がある。また、誰がどこで、どんな在来作物を作っているのか情報へのアクセスがしにくい。自家採種の技術と文化を継承する手段も必要」と述べた。

 その後、ESDを実践している学校や団体がそれぞれ事例を発表。このうち鶴岡市立斎小学校は、児童と外内島きゅうりの関わりについて「毎年3年生が地元農家の協力を得て、種まきから苗植え、収穫まで体験し、さらには調理や種取り、2年生への種の引き継ぎも行っている」と説明し、「学習効果として、子どもたちが主体的に学び、地域とのつながりや命の連続性などを知るきっかけとなっている」と述べた。

食文化に関する講演や事例発表を通し、ESDについて理解を深めた
食文化に関する講演や事例発表を通し、ESDについて理解を深めた


2023年(令和5年) 12月17日(日)付紙面より

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考 ロシアのディアスポラ シベリア抑留 論説委員 大滝 太一

 先日、旧ソ連の抑留経験者・水口藤一氏のお話を聞く機会があった。齢99歳というが、かくしゃくとしており話も聞きやすかった。さすがあの過酷な環境を生き残った方だと感心した。

 主催者は当初は10名ぐらいかと思っていたそうだが50名もの規模になったので驚いていたようだ。集まった方々も老若男女まで多士済々であり、このことに関心を持っている人々がいることを知り心強い共感を覚えた。集まった方々はいろいろな観点から関心を持たれていたと思う。私に関して言えば主に次の二点である。

 一点目は、会場となった鶴岡が抑留者にとって特別な土地だということだ。鶴岡市在住の故斎藤六郎氏が1979年に立ち上げた「全国抑留者補償協議会」(略称‥全抑協)の本部があった土地であるということだ。1995年に急逝されたが、その間多くの抑留関係者がこの地を訪問し抑留者60万人のために、特に抑留者名簿と補償を得るための労働証明書獲得のために奔走したのである。設立当初は私財を投じての活動であった。1995年には当時のエリツィン大統領から勲章をもらっている。

 当時全抑協本部に事務補佐兼通訳者として勤めていたエレーナ・カタソノワ氏の一言は今も強く印象に残っている。「私は斎藤氏に出会って初めて人道ということを知った」という言葉である。人道など縁のなかった社会主義に育った人々に対して、それを初めて知らしめたのが斎藤氏でありここ庄内の地なのである。

 二点目は当のロシアが同じ過ちを現在ウクライナの地で繰り返していることである。世にディアスポラという言葉がある。移民とか離散を意味する。いい意味でも悪い意味でも使われるが、ことロシアに限っては悪いイメージがつきまとう。

 ソ連が60万人とも言われる捕虜を抑留したのはもちろん国際法違反である。国際法上、捕虜は戦闘が終われば速やかに母国に返されなければならない。ポツダム宣言9項にも同じことが書いてある。80年後、社会主義を脱したロシアには国際法の遵法精神が復活したかと思っていた矢先、今またウクライナの人々に同じ仕打ちをしている。わけても未成年者をロシアに連れ帰り保護と偽り洗脳していると国際刑事裁判所からも糾弾されている始末だ。民族に刻み込まれた底流はなかなか変わるものではない。戦争に勝てばモノでもヒトでもわがものにするという伝統はスラブ民族の魂に奥深く刻み込まれている。ロシアのディアスポラというのはこういう意味である。

 シベリア抑留の話はどうしても暗くなりがちである。しかし水口氏は齢99歳、達観されているとお見受けした。当時の事実をたんたんとお話しされていた。社会主義ノルマやロシア兵の数字に弱いことなど現場にいなければ知りえないことなども興味深く聞いた。個人的には学生時代にはハルビン学院出身の抑留経験者たちから教えを受けていたし、社会に出てからも酒田港などで抑留経験者と出会うことは珍しくなかった。しかし歳月は過ぎ庄内の抑留経験者の生き残りは、現在水口氏ただ一人という。

 ますますのご健勝を願うと同時に、機会があればできるだけ多くの人から水口氏の話を聞いてもらいたいと思うしだいである。


2023年(令和5年) 12月17日(日)付紙面より

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酒田まつり盛り上げる 時代行列キックオフミーティング

3幕構成「より楽しい行列に」
「酒田の興り」「徳尼公と三十六人衆」「庄内の安寧。港酒田の栄華」

 来年5月に酒田市中心部で繰り広げられる「酒田まつり」で、20日(月)の本祭りに合わせて行われる酒田の通史を広く紹介するイベント「時代行列」のキックオフミーティングが14日夜、同市の山王くらぶで開かれた。これまでの2回を振り返るとともに、飽海地域史研究会(同市)の小野寺雅昭会長がほぼ史実に基づき作成した来年のシナリオについて意見交換、成功に向けて機運醸成を図った。

 時代行列は2022年5月、酒井家庄内入部400年、河村瑞賢翁による西廻り航路開設350年などを記念し初めて企画。今年は、コロナ禍の影響で中断していた「酒田花魁(おいらん)道中」の練り歩きをはじめ、いずれも市民らが扮(ふん)した弁慶と義経、「酒田の開祖」といわれる徳尼公と三十六人衆など酒田に縁のある歴史上の人物が次々と登場しパフォーマンスを展開。「荘内藩甲冑(かっちゅう)研究会」(鶴岡市)による殺陣なども披露され、祭りを大いに盛り上げた。

 今回のミーティングは、来年の開催に向け、早めに始動することでより多くの市民の参加を促そうと実施。酒田まつり実行委員会の久木原満実行委員長、小野寺会長ら関係者と共に、シナリオ監修を担当した、出羽三山の歴史に詳しい「いでは観光ガイドの会」の田村廣実会長(鶴岡市羽黒町手向)が出席。久木原実行委員長が「歴史の街づくりを進めたい。より楽しい時代行列にしよう」とあいさつした後、これまでの開催を振り返った。

 その後、来年の時代行列の方針・内容について検討。▽核となる『酒田の興(おこ)り』の確立▽個による立ち上げ期間を終え、チームで向かう―の2つを方針とした上で、これまでの2回同様、市中心部の国道112号、「てとて中町」前特設ステージを会場に、▽イントロダクション=酒田の興り▽メイン=徳尼公と三十六人衆▽フィナーレ=庄内の安寧。港酒田の栄華―の3幕構成で行うことにした。

 小野寺会長が作成したシナリオは1、2幕。羽黒山五重塔前が舞台となる第1幕は口上とステージを活用した演出で、源平合戦壇ノ浦後、奥州平泉に逃れる義経・弁慶一行と羽黒山伏のやりとりを描く。第2幕では、平泉を焼かれた後、三十六人衆と共に酒田にたどり着いた徳尼公を盛大な宴で歓待するというストーリー。第3幕は花魁道中や山車巡行などで酒田の栄華を表現する。今後さらに検討を重ね、来年4月上旬までに催事計画をまとめる。

 一方、実行委員会などは来年3月、徳尼公への理解を深めるためのフォーラムを市内で開催予定。講演会やワークショップを通し、広く市民から酒田まつりへの機運醸成を図ってもらう。

来年の「時代行列」に向けて開催したキックオフミーティング
来年の「時代行列」に向けて開催したキックオフミーティング

新型コロナの5類引き下げもあり、大勢の祭り客が繰り出した今年の酒田まつり「時代行列」。来年も時代絵巻が繰り広げられる=今年5月20日
新型コロナの5類引き下げもあり、大勢の祭り客が繰り出した今年の酒田まつり「時代行列」。来年も時代絵巻が繰り広げられる=今年5月20日


2023年(令和5年) 12月17日(日)付紙面より

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学校田の「でわかおり」 二八そば打ちに挑戦 立川小3年生 地域の“先生”と

 庄内町の立川小学校(村山能弘校長、児童139人)の3年生が15日、旧狩川まちづくりセンターで、地域の大人たちに教わりながらそば打ちを体験した。

 同校では総合学習として3年前から3年生が学校田でソバの生育について学んでいる。今年は「でわかおり」を7月末に種まきし、除草などに取り組みながら10月中旬に収穫。活動の集大成として収穫したでわかおりを使ったそば打ちが行われた。

 この日は3年生22人が参加。清川歴史公園・清川関所「御殿茶屋」のスタッフら11人が講師となり、二八そばづくりに挑戦。児童たちは「そば粉はなかなか水を吸わないので3回に分けて水を入れること」「粉がダマにならないように優しく混ぜ合わせて」など指導を受けながら、生地をのし棒で四角に延ばし、包丁とこま板で切りそろえるなど慣れない作業ながら楽しそうに取り組んでいた。小鷹葵生(あおい)君(9)は「そば打ちは初めてで、棒を使って大きくするところが大変だった。切るのも難しかった」と話していた。

 打ち上がったそばは御殿茶屋スタッフが用意した玉こんにゃくやチャーシューとともに味わった。

そば打ちに挑戦する立川小の3年生
そば打ちに挑戦する立川小の3年生



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