2023年(令和5年) 4月28日(金)付紙面より
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出羽三山神社(宮野直生宮司)は27日、国宝・羽黒山五重塔で行われる20年に一度のこけら葺き替え事業について発表した。「令和の大修復」と位置付け、5月8日から塔の屋根部分の修復工事を開始する。工事に伴う奉賛事業として同神社は広く寄進を呼び掛けており、寄進者の名前を記した杉板は屋根の修繕に使用される。
羽黒山五重塔は平安時代に平将門が創建したと伝えられる。東北地方では最古の塔ともいわれ、1966(昭和41)年に国宝指定を受けた。1608(慶長13)年の最上義光公による大修理をはじめ、修繕を何回も重ねており、昭和以降では1937(昭和12)年、55(同30)年、82(同57)年、2002(平成14)年と約20年に1回の周期で修復作業が行われている。塔の屋根部分をつくる「こけら葺き」は古くから伝わる日本独特の伝統技法で、薄い杉板を何枚も葺き重ねる。
同神社の吉住登志喜参事によると、葺き替え工事は今年の「月山卯歳(うどし)御縁年」奉祝事業の一環として昨年から準備を進めており、実質的な工事期間は今年5月8日から来年9月末を予定。積雪による事故防止のため今年11月末ごろに足場を撤去し、来年5月の連休明けに工事を再開する。工事は市村工務店(山形市)が担当し、総工費は3カ年で約1億6000万円。
工事期間中は、周囲に組む足場や幕などにより塔全体の姿は拝観できなくなる。また、塔の祭神・大国主命は4月中に随神門近くの天地金神社へ仮遷座しており、吉住参事は「参拝される方は天地金神社へ足を運んでほしい」と話している。
塔の大修復に伴い、出羽三山神社は葺き替え奉賛事業として広く協力を募る。杉板1枚につき2000円からの寄進をもらい、寄進者の名前を書き込んだ板を屋根の修復に使用する。前回(2002年)にも同様の事業を行っており、約3000人(約300万円相当)から寄進を受けた。
同神社随神門前の受付や参集殿受付で寄進の申し込みができる。寄進者には記念のしおりを授与する。また、工事期間中に切り絵の特別御朱印も頒布する。郵送による寄進も受け付ける。
詳細は同神社ホームページで確認できる。アドレスはhttp://www.dewasanzan.jp/
2023年(令和5年) 4月28日(金)付紙面より
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遊佐町吹浦の小野曽集落を通る鳥海ブルーライン沿いや住宅の庭などに植えられたハナモモが満開を迎えた。周囲を彩る菜の花やシバザクラといった春の花々と相まって、文字通り「桃源郷」を思わせる景色が広がっている。
ハナモモ(花桃)はバラ科の落葉低木。花を観賞するために改良された桃で、一重や八重咲き、枝垂れなど数多くの品種がある。
同集落では元公務員、小林栄一さん(69)の先祖が約50年前、自宅庭に植えたのがきっかけ。その後、他の住民も植え始め、近年は花の季節を迎えると集落一帯が「ハナモモの里」と化す。
中でも、同集落に入ってしばらく走った左側に、濃いピンクと紅白咲き分けの2本のハナモモが寄り添って立ち、バックに黄色の菜の花、足元には赤紫と白のシバザクラや青紫のムスカリなどが群れ咲く様は、この季節限定の絶景。SNSなどで知った人たちが相次いで訪れ、カメラやスマホに収めている。見頃は今週いっぱいという。
2023年(令和5年) 4月28日(金)付紙面より
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旧庄内藩主酒井家第19代酒井忠順さん(48)=鶴岡市=による、酒井家の歴史とこれからについての講演会「酒井家庄内入部401年 未来に向けて」が22日、酒田市総合文化センターで行われ、参加者たちが酒井家について理解を深めた。
古文書に関わる歴史を研究している古文書同好会、鶴岡・酒田古文書入門教室、シニアの歴史教室などで組織する古文書解読交流会(同市みずほ一丁目、杉原丈夫会長)が主催。古文書同好会の活動が半世紀を超え、あらためて酒井家の歴史について見分を深めようと企画した。
この日は会員を中心に市民ら50人が参加。忠順さんは、庄内入部のきっかけとなった徳川家とのつながり、いわゆる「三方領知替え」の転封阻止運動、致道博物館に収蔵されている国宝の太刀「真光」「信房」などについて解説したほか、今後の展望として酒井家の墓所を公開するために活動していることを紹介。酒井家の正月行事が「家庭画報」2015年1月号に掲載された際のことを振り返り、「酒井家を見直す一つのきっかけになった。長く庄内に居続ける歴史の重みを実感した」と述べ、「古き良きものを大切に守り、継承するためにも、新しきを知るだけでなく創造していけるよう精進したい」と語った。
参加者は興味津々で聴講。杉原会長は「これまでの歴史と、未来への展望をわかりやすく説明していただき大変ありがたい。これからの酒井家に期待したい」と話した。
2023年(令和5年) 4月28日(金)付紙面より
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「こばえちゃ山形全国競技かるた酒田大会」が23日、酒田市武道館で開催され、全国から集まった選手たちが熱戦を繰り広げた。
愛好者で組織する「酒田かるた会」(瀧澤真弓会長)が企画、運営し毎年春に行っている。昨年はコロナ禍の影響で出場者の在住地域を限定しての開催だったが、24回目の今年は制限を撤廃、北は北海道から南は鹿児島まで、A―E級の約340人がエントリーした。
開会式で、参加選手を代表し、いずれも同会所属の一條小6年の小松正君(11)、阿部愛佳さん(11)、相蘇舞歩さん(11)が「練習してきたかるたを出し切り、諦めないで試合をする」と選手宣誓。選手たちは自陣に札を並べ、15分で札の位置を暗記。試合が始まると会場は一様に静まり、読手(どくしゅ)が小倉百人一首の上(かみ)の句を詠むとほぼ同時に鋭く手を伸ばし、下(しも)の句の札を取り合っていた。瀧澤会長は「今年は国内外から幅広くエントリーが来て本当にありがたい。今後も大会を通じて競技かるたを広めていきたい」と話した。
2023年(令和5年) 4月28日(金)付紙面より
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酒田市手蔵田のスーパー農道脇の防雪柵にカラスが巣を作った。
カラス(ハシブトカラス・ハシボソカラス)は例年3月ごろから巣作りを始める。卵を産むタイミングはそれぞれの巣で違うが、東北では5月下旬から7月上旬にかけてひなが巣立つ。この時期、親のカラスはひなを守るため神経質になり近くを通る人に威嚇行動を取るケースがある。毎年、各自治体では確認した巣の場所を事前に住民に知らせるなどして注意を呼び掛けている。
特に電柱に作った巣はショートして停電の原因に。電力会社とカラスのいたちごっこが続いていることで知られる。ちなみに鳥獣保護管理法ですでに卵を産んでいたり、ひながかえった巣は特別な許可がないと撤去はできない。
さて防雪柵に巣を作ったカラス。いまは卵を温めている時期を迎えていた。巣からちょこんと頭を出して辺りを警戒しながら「電線じゃないもん」「邪魔してないでしょ」と言いたげ?の様子。