2023年(令和5年) 6月7日(水)付紙面より
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徳川家臣団のリーダーとして庄内藩主酒井家の祖・忠次公が活躍しているNHK大河ドラマ「どうする家康」をPRする全国巡回展が6日、ゆかりの地・鶴岡市の鶴岡アートフォーラムで始まった。ドラマで使用された衣装(複製)や木彫りのウサギ(複製)などの小道具、出演者のサイン色紙などを11日(日)まで展示している。入場無料。
NHKがドラマの放送に合わせ、4月の和歌山県を皮切りに各都道府県1カ所で11月まで巡回している。主に各放送局のロビーで展示しているが、主催のNHK山形放送局は忠次公に縁のある場所として鶴岡を展示会場に選んだ。
主人公・徳川家康役の松本潤さんのビデオメッセージの放映をはじめ、ドラマのあらすじや登場人物を紹介したパネル、家康の生涯を分かりやすくまとめたパネル、忠次役の大森南朋さんら出演者22人の色紙などを展示。戦国時代の「三英傑」の家康役の松本さん、織田信長役の岡田准一さん、豊臣秀吉役のムロツヨシさんの全身パネル、家康と信長の衣装(複製)も展示されている。
実際の撮影スタジオの様子をVR(仮想現実)で楽しめるコーナーも設置。鮮明な画像で8つの場面を探検できる内容で、ドラマの撮影現場にいるかのような感覚になる。会場にはドラマの主題曲が流れ、音声コーナー「あのセリフが聴ける」ではボタンを押すと家康と瀬名、信長の3人のそれぞれの役者のセリフを聞くことができ、大河ドラマの世界に浸ることができる。
巡回展の開幕に合わせて夫婦で訪れた同市藤島の日向秋夫さん(73)は「ドラマを毎週見ている。平岩親吉役で秋田県出身の岡部大さんの活躍が楽しみ。大河ドラマの展示を見るのはめったにない貴重な機会なので面白かった。家康や忠次が今後どう描かれるのか、さらに興味が湧いてきた」と話していた。
展示は10日(土)までは午前9時半から午後6時まで。最終日の11日は正午までとなっている。
2023年(令和5年) 6月7日(水)付紙面より
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▽酒田市飛島でボランティアによる海岸清掃▽同市松原小の児童が東両羽公園を清掃▽鶴岡市湯野浜で「素足で歩ける砂浜に」を目指して清掃活動―など、5月下旬、庄内各地で清掃活動が行われた。「ごみゼロの日」(5月30日)、さらに6月5日の「世界環境デー」と「環境月間」を前にしての取り組みだ。
世界環境デーと環境月間は1972年、ストックホルムで「国連人間環境会議」が開かれたことを記念して定められた。人間の行為で自然環境が損なわれることにストップをかけようという啓発と、具体的な活動を世界中で展開することを目的にしている。
◇ ◇
世界環境デー、同月間は毎年異なったテーマを掲げている。今年のテーマは「プラスチック汚染の解決策」。人が生きていくために利便性を求めるのは自然の事と言えるが、必要以上の物を求めることが結果として環境悪化を招いている。4月、札幌市で開かれた先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合は、プラごみの新たな海洋汚染を2040年までにゼロにする目標で一致している。
高度経済成長期以降「消費は美徳」という言葉が使われ、「大量生産・大量消費・大量廃棄」を助長したが、今は「環境保護」が叫ばれる時代になった。言い換えれば、限りある資源を大切に使うことが環境を守ることにつながる。国内では「循環型社会形成推進基本法」と「資源有効利用推進法」が設けられている。そこで掲げる目標は「廃棄物を出さない」「再利用する」「再資源化する」。安易に捨てられるごみも、分別収集すれば貴重な資源になることに目を向けたい。
山形県は「ごみゼロやまがた県民運動」を展開している。20年度の家庭から出る1人1日当たりのごみ排出量901グラムは、少ない方から全国18位(最も少ない京都府785グラム)。県は100グラム(キャベツの葉2枚、きゅうり1本相当)のごみ減量目標を掲げている。「たかが!」と考えそうだが、その生産には多くの手間ひまと資源が費やされている。環境への配慮を考えれば積み重ねは大きい。
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県の分別徹底とリサイクル推進の呼び掛けは(1)雑誌・新聞・段ボール・雑紙の適切な分別(2)食品トレー・ペットボトルの店頭回収(3)テイクアウト容器の分別(4)衣類も捨てない―など。捨てられようとしている物に、新たな命を吹き込もうということになる。決して難しい話ではない。
環境保護が叫ばれているのは、自然界が長い年月でつくり出してきた豊かな環境を、わずか100年余の人間の営みで破壊してはならないからだ。環境を壊すのは容易だが、再生するのは難しいことに思いを寄せたい。環境を守ることは、物を粗末にしない、一人一人の小さな心掛けの積み重ねに懸かっている。
2023年(令和5年) 6月7日(水)付紙面より
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“反省会”込みで国際交流―。鶴岡市田川地区の住民運動会が5月28日、田川地区コミュニティセンター(旧田川小学校)グラウンドで開かれ、集落単位の9チームに交じって「国際村日本語教室」の外国人約40人が参加した。ユニークな競技の数々に幼児からお年寄りまでが参加して地区を挙げて行われる日本流の運動会で、今年は競技種目を楽しむとともに、運動会後の集落ごとの内輪の親睦会となる地域独特の文化の「反省会」にも外国人が初めて参加。料理を食べながら各集落ならではの手作りの会で、地域の国際交流の輪を広げた。
外国出身者向けに日本語教室を開講している同市の出羽庄内国際交流財団に働き掛け、2017年度から住民運動会に招いている。コロナ禍で国際村チームは4年ぶり4回目の“参戦”となった。留学生や企業の技能実習生などで、国籍は中国や台湾、ベトナム、オランダ、ケニア、メキシコなど10カ国の国際色豊かなチーム編成。子どもと一緒の家族参加もあった。和気あいあいと住民総参加の日本式運動会を楽しみ、対抗戦種目では賞品の獲得を目指して住民のチームと競い合った。
その上で、今回新たに加わったのが運動会後の各集落の公民館や集会所で開く「反省会」への招待。希望した約20人が2―3人ずつ8つの集落に分散して参加した。中には反省会と聞き、「しっかりと反省の言葉を考えなければ。大変だ」と二の足を踏んだ人もいたが、「この辺で言う反省会は、行事を楽しんだ人たちが集う料理を囲んだ親睦の席。宴会だよ」と独特の文化を教えられ、「それなら喜んで」と参加した外国人もいたという。
定番の油揚げの「座布団」に田川名物の焼き畑赤カブ漬、家々のかあちゃんたちの手料理、仕出し料理などそれぞれの“反省会”スタイルで、住民たちと外国人が運動会の珍プレーなどを話題に盛り上がった。子ども同士が早速仲良くなり、宴会の大人たちとは別に一緒に遊ぶ姿もあった。スタッフとして参加した国際村の関係者は「住民の皆さんに温かく迎えられ、声を掛けていただきながらおいしい食べ物をごちそうになり、みんなが『反省会が楽しかった』と大喜びしていた」と話した。
反省会参加を呼び掛けた田川地区自治振興会の三浦総一郎会長は「今後につながる交流の糸口にしたいと考えて呼び掛けてみた。皆さんから楽しんでもらい、8月の集落のビアガーデンにも参加したいといった人もいた。みんながワクワクする国際色豊かな田川地区になれれば」と話した。
2023年(令和5年) 6月7日(水)付紙面より
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5月27日に酒田市飛島の荒崎海岸で行われた「飛島クリーンアップ作戦」の際、合同会社とびしま(同市飛島)、石井製作所(同市京田四丁目)などが開発を進める「海ごみロボット」による搬送実験が行われた。コントローラーを介して作動するロボットが、ごみを積載して島内部に続く遊歩道を登るなど、関係者は一定の手応え。実装に向け、さらにその技術に磨きをかける。
飛島で毎年開催しているクリーンアップ作戦。天候による定期便の欠航やコロナ禍の影響で大規模な開催ができない年が続くなどで漂着ごみが蓄積し、島民や地元団体だけでは継続的な環境維持ができない問題が浮き彫りに。これを技術の力で解決しようと、離島に最新技術を取り入れ、新たな価値を創出する「TECH ISLAND」プロジェクトの一環として、2020年10月から合同会社とびしま、石井製作所、鶴岡高専、仙台高専が共同で海ごみ自動回収ロボットの開発に着手。21年から島での搬送実験を繰り返し3年目となった今年は、海岸線上に1台、海岸から島内部につながる遊歩道に1台試験的に導入した。
ロボットの耐荷重は約100キロ。動力はバッテリーで、バランスを取るための補助輪が付いており、コントローラーを使って前後左右に操り走行する。クリーンアップ作戦では、今まで人の手で運ぶのが大変だった車のタイヤ、ポリタンク、プラスチック製容器などの大型ごみを海岸のロボットが運搬。海岸から車が入れない急坂の特に危険な場所を遊歩道のロボットが運搬したことで、最後のバケツリレーがおよそ半分の220メートルに短縮。参加者や島民の負担が大きく軽減された。
合同会社とびしまの松本友哉共同代表は「今後はドローン画像から人工知能(AI)で漂着ごみが多い箇所を検知した上での効率的な人員配置や、自動運搬ロボットで回収したごみを自力走行で回収場所まで運ぶことを目標に、開発を進めたい」と話した。
2023年(令和5年) 6月7日(水)付紙面より
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庄内産アンデスメロンの初競りが6日、三川町の公設庄内青果物地方卸売市場・丸果庄内青果(佐藤玲子社長)で行われた。生産農家は「5月の日照時間が短く、例年より小ぶり傾向」と話すが糖度は16度と高め。甘くておいしいメロンに仕上がった。
昨年より3日早い初競りとなったこの日は三川町成田新田の成沢英雄さん(73)のハウス物10ケース(1ケース5キロ)が入荷。約30人が初物を求めて集まり、3L4玉が5万円、2L5玉が1万円で競り落とされた。
最高値で競り落とした「総合食品もり」(庄内町)の森保一さん(69)は「農家の人には品質の良いものをいつも期待している。初物を神棚に飾り、今年の商売繁盛を願いたい」と笑顔を見せた。
成沢さんは「今はまだ小ぶりだが今後はもっと大きくなっていく。ほかの産地に負けないよう品質の良いメロンを育てていきたい」と話した。
丸果によると、出荷のピークはハウス物が今月下旬ごろで、露地物が来月中―下旬ごろという。