2024年(令和6年) 2月2日(金)付紙面より
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東北公益文科大学(酒田市、神田直弥学長)で学ぶ学生から起業家精神を育んでもらおうと昨年、学内で発足した「起レ業(ギョウヲオコス)研究所」。新年度から同研究所による教育プログラム「“起業マインド”育成プログラム」がスタートするのを前に、在学生を対象にしたプレイベント「スタートアップセミナー」が30日夜、学内で行われ、神田学長の進行で若手起業家ら4人が経験談など語り、後に続く学生たちにアドバイスを送った。
公立化・教育内容強化に向けて公益大は昨年、地域産業のこれからについて議論する「地域連携シンポジウム」を随時開催。これを踏まえて「自らの意思で業を起こし、地域や社会を変える『起業家マインド』を持った人材の育成」を目標に掲げた同研究所を設立した。昨年11月に酒田市のガーデンパレスみずほで発足記念シンポジウムを開き席上、新田嘉一公益大理事長は「地域の未来を支えていく人材の育成に結び付くことを期待する」と述べた。
この日は受講を予定する学生約30人が参加。研究所長を務める神田学長の進行で、テレビCMやプロモーションビデオの制作に携わるオリーブ(酒田市)の橋本道春社長、インバウンドプロモーション、旅行事業など展開しているThe Hidden Japan(同)の山科沙織代表がパネル討議。橋本社長は「常に後悔はしたくないという思いを抱いている。必要な人が必要なタイミングで仲間になる。まずはやりたいことをやってみよう」、山科代表は「娘に尊敬される自分でいたいという思いで日々、精いっぱい頑張っている。まずは前進、真っすぐ突き進んで」などとアドバイスした。
また、ゲストスピーカーとして、昨春に公益大を卒業し現在、山科代表の下で働いている田鎖奏さん、昨年5月に介護事業や動画広告制作など手掛ける「MENGOINO」を市内で立ち上げた公益大4年の佐藤諒多さんが発言。このうち佐藤さんは「起業は地域への恩返し。生まれ育った酒田で学び、起業したことが一番の強みで、これからも人、地域とのつながりを大切にしたい」と述べた。
新年度に開講する同プログラムでは、新科目「アントレプレナーシップ演習1、2」を設置し、各界で活躍する多彩な有識者を外部講師として招聘(しょうへい)。講義を通し学生から志と向上心を養ってもらい、在学中や卒業後に起業したり、組織の中でも新商品・サービスを自ら企画するなど地域社会に新たな風を吹き込む能力を身に付けてもらう。