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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 1月5日(金)付紙面より

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インバウンド急回復 観光庁の実証事業・支援事業採択 誘客と来訪者の消費拡大

 新型コロナウイルスの「水際対策」大幅緩和や円安などを背景に、日本を訪れる外国人旅行者(インバウンド)が急回復している。鶴岡市のDEGAM(デガム)鶴岡ツーリズムビューロー、庄交コーポレーションは本年度、インバウンド誘客と来訪者の消費拡大を目的にした観光庁の実証事業、支援事業の採択をそれぞれ受け、デガムはユネスコ食文化創造都市・鶴岡の食を活用したガストロノミーツーリズム、庄交は「黒い聖母マリア像のある城下町」をテーマにした誘客促進策を探っている。


デガム 地域一体型ガストロノミーツーリズム 多様な食習慣の外国人受け入れ

 デガムが採択を受けたのは「地域一体型ガストロノミーツーリズムの推進事業」。全国13地域のうち東北エリアでの採択はデガムが提案した事業計画のみで、ビーガン(完全菜食主義)などのベジタリアン(菜食主義)を含め多様な食習慣を持つ外国人の受け入れを目指す研修会や講演会、食体験ツアーの新規造成を目的にしたモニターツアーなどを実施している。

 昨年11月には、出羽三山精進料理プロジェクトに携わる地元関係者による講演会、国内初の加盟認定から今年で10周年を迎えるユネスコ食文化創造都市の次のステージに向け、食と観光を結び付けた取り組みの方向性を探る「鶴岡ガストロノミーツーリズムサミット」を開催した。サミットでは、ビーガン料理の第一人者として世界が注目するシェフ・杉浦仁志さんが基調講演し、「出羽三山の精進料理は日本を代表するビーガン料理であり、鶴岡は日本のガストロノミーツーリズムの聖地。さらに発展するためビーガンを含むベジタリアンの世界基準を理解して総合的な共創の中で強みを発信し、世界が注目する都市になってほしい」と提言。地元のアル・ケッチァーノ・オーナーシェフの奥田政行さんと、ガストロノミーツーリズムが専門で平安女学院大国際観光学部教授の尾家健生さん、杉浦さんが「鶴岡らしいガストロノミーツーリズム」について意見交換し、奥田さんは「ユネスコ食文化創造都市の認定で、鶴岡は希望のある街に変わった。食を目的に世界の人々が旅をする目的地にしていきたい」と語った。

 モニターツアー「詣でる つかる 頂きます」は11月中旬に2泊3日の日程で行われ、米国や台湾出身の在日外国人、薬膳料理家、メディアや旅行代理店関係者ら10人が参加した。市内の温泉に宿泊し、羽黒山参拝と斎館での精進料理、致道博物館「旧庄内藩主御隠殿」での夕食と国指定名勝「酒井氏庭園」ライトアップ鑑賞のプレミアムダイニング、善寳寺参詣と雛(ひな)菓子作り体験、松ケ岡のワイナリー「ピノ・コッリーナ」でのランチなどを体験。参加者から「鶴岡の魅力が理解できた」との感想が寄せられた。

 1月には、温泉旅館や生産者など関係者が「究極の地産地消」をテーマに食材の地域循環を考える研修会、料理人たちが連携強化を図る研修会などを予定。ユネスコ食文化創造都市・鶴岡の「ガストロノミーツーリズム」を探る。


庄交 「黒い聖母マリア像」にスポット 建築物に注目 街歩き観光誘導

 庄交コーポレーションは「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」の採択を受け、鶴岡市馬場町の鶴岡カトリック教会天主堂(国指定重要文化財)にある「黒い聖母マリア像」(市指定文化財)にスポットを当てた「祈りの道」の誘客戦略を進める。中心市街地の観光振興も視野に入れ、明治以降の擬洋風建築群や世界的に活躍する建築家による現代の建築物にも注目し、街歩き観光を誘導する。

 同天主堂のマリア像(高さ153センチ、幅60センチ、奥行き54センチ)は顔が小麦色のような栗色で、国内唯一の「黒いマリア像」として知られている。1903(明治36)年の鶴岡カトリック教会献堂記念で、初代司祭・ダリベル神父の出身地フランス・ノルマンディー州のデリブランド修道院から贈られた。同州のデリブランド教会にある像の完全な複製としてフランスで作られ、寄せ木造りの木彫に石こうをかぶせて彩色されている。

 由緒ある世界的にも珍しい、日本では他に例を見ない貴重なマリア像で、同社は古くから続く出羽三山参拝とともに、歴史と伝統に基づく「祈りの道」をテーマにしたストーリー性のある観光戦略を強化。「黒いマリア像」関連では、昨年12月に天主堂で開かれた、パイプオルガンの音色に合わせてクリスマス賛美歌などを演奏したコンサート動画をユーチューブの「庄交インフォメーション」チャンネルで公開。拡張現実(AR)技術を活用し、天主堂やマリア像、鶴岡カトリック教会の歴史や特徴などを紹介する立体映像も制作。映像にアクセスできるQRコード付きの案内板を、天主堂や致道博物館前のバス停などに設置する。

 市街地観光の振興策で、英語・中国語・韓国語の多言語ガイド養成講座を昨年12月17日、天主堂と致道博物館で実施。約30人が参加した。1月には旧庄内藩校致道館などでの講座を予定する。このほか、米国人女性記者による市街地観光の記事やPR動画の海外配信、保存されている明治以降の擬洋風建築を紹介する3Dマップ作成とマップを取り込んだタブレットの旅行者への貸与といった取り組みも進めている。

モニターツアーでは羽黒山・斎館で精進料理(上)、湯田川温泉の旅館で在来作物など旬の素材を使った郷土料理が提供された=昨年11月15―17日
モニターツアーでは羽黒山・斎館で精進料理(上)、湯田川温泉の旅館で在来作物など旬の素材を使った郷土料理が提供された=昨年11月15―17日

献堂から120年の歴史を誇る鶴岡カトリック教会天主堂(左)と、天主堂にある「黒い聖母マリア像」
献堂から120年の歴史を誇る鶴岡カトリック教会天主堂(左)と、天主堂にある「黒い聖母マリア像」


2024年(令和6年) 1月5日(金)付紙面より

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没後160年功績や足跡たどる 亀ノ尾の里資料館 「清河八郎の軌跡」展 庄内町

 庄内町の亀ノ尾の里資料館で「草莽(そうもう)の志士 清河八郎の軌跡」が開かれ、書簡など当時の八郎の足跡を示す貴重な史料が展示されている。

 八郎は1830(天保元)年10月10日、出羽国田川郡清川村(現・庄内町)に生まれた。幕末の激動期、諸外国から日本を守るため、対等な立場で交易を進めるべきと考え、横浜の外国人居留地の焼き打ちを決行するなど尊王攘夷運動を推進。そうした行動が仇(あだ)となり、63(文久3)年34歳の若さで幕府側の刺客に暗殺された。八郎が組織した浪士組を母体に、会津藩による京都警護の「新選組」、庄内藩による江戸警護の「新徴組」が誕生している。

 今回は八郎の没後160年を記念し、その功績や思想、足跡などを振り返ろうと同町清川の清河八郎記念館の協力で企画。八郎が記した書簡や浪士組に関する史料など約20点を展示した。

 このうち、「廻状留浪士方取締役」(町指定文化財)は浪士組上洛の際、藩士取締役を務めていた山岡鉄舟が書いた名簿には後に新選組に参加する近藤勇や土方歳三らの名も記されている。また、八郎が父親に宛てた書簡「遺芳萬年」(町指定文化財)は暗殺前日に書かれたもので、浪士組の責任は自分と山岡にあること、自分の荷物の預け先を記すなど死を予感していたとも読み取れる貴重な史料。展示は2月12日(月)まで。

八郎の書簡など貴重な史料が展示されている
八郎の書簡など貴重な史料が展示されている


2024年(令和6年) 1月5日(金)付紙面より

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初泳ぎ 楽しいね!! 鶴岡市民プール 一般無料開放

 鶴岡市馬場町の市民プールで4日、「初泳ぎ」が行われ、一般に無料開放された。

 室内プールの水温は29度(気温は22度)。この日は昼前までに正月休みの親子や体力づくりの一般市民ら合わせて15人が訪れ、25メートルを往復したり、水を掛け合ってはしゃぐ子どもたちの笑顔があふれた。

 鶴岡市民プールでは今月6、7、8日の3日間、「山形県新春フェスティバル水泳競技大会」が開かれ、小中学生や高校生約400人が出場し、日頃の成果を競う。

 通常の一般利用は、競技大会後の9日から。時間は平日が午後1~3時と午後6~8時。日曜・祝日は午前10時~正午と午後1~4時まで。利用料金は大人490円、高校生380円、小中学生が180円。問い合わせはプール内の鶴岡水泳育成協会=電0235(22)0074=へ。

初泳ぎを楽しむ親子
初泳ぎを楽しむ親子



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