2024年(令和6年) 1月13日(土)付紙面より
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鶴岡市家中新町の致道博物館にある多層民家・旧渋谷家(国指定重要文化財)で冬の風物詩として親しまれている「いぶりだし」が始まった。囲炉裏(いろり)にまきをくべて室内をいぶし、かやぶき屋根の害虫を退治する作業。3月中旬まで毎週木曜日と日曜日の週2回行われる。
渋谷家は1822(文政5)年に建てられたもので1965年、致道博物館西側に移築・保存された。「いぶりだし」は害虫退治のほかに、縄や梁(はり)を強くする効果もある。いずれも今年5年目の太谷淳子さん(68)と工藤喜美さん(62)が囲炉裏の前に座り、火が絶えぬよう剪定(せんてい)で切った木材をくべている。「コロナ禍が収まり、だいぶ観光客が戻ってきた。今年は比較的温暖で作業がしやすいですよ」と太谷さん。中には恒例の作業風景を撮影しに写真愛好家も訪れるという。
「いぶりだし」の時間は午前9時から午後3時まで。問い合わせは致道博物館=電0235(22)1199=へ。