2024年(令和6年) 1月24日(水)付紙面より
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過疎化が著しい酒田市日向地区の活性化に向け、さまざまな活動を繰り広げている東北公益文科大学(同市)の学生サークル「Praxis(プラクシス)」(退田秀太朗代表)が、庄内地域の名産「干し柿」を使ったメニュー3種を考案し20日昼、活動の拠点にしている同市の「日向里(にっこり)かふぇ」で市民らに提供した。味わった市民は「うまい」と太鼓判。退田代表(20)=2年=は「庄内柿の良さを知ることができた。喜んでもらいうれしい」と話した。
県庄内総合支庁などが2022年度から進めている、地元の学生から庄内地域の食の魅力について理解を深めてもらう体験事業「旬の食材 味わいキッチン」の一環。プラクシスメンバーは昨年12月以降、厚生労働省制定「現代の名工」で「食の都庄内」親善大使を務める土岐正富さん(庄内町)の指導で庄内産食材、郷土料理に関する知識を深めてきた。
プラクシスは毎月第3土曜日の昼、自ら栽培した野菜をふんだんに使って調理したメニューを日向里かふぇで販売しており、これまでに▽冷やし坦々そうめん▽厚揚げを使ったそぼろ丼▽バターチキンカレー―など提供、「常連客」がいるほどの人気ぶりとなっている。今回は土岐さんの助言を受け、鶴岡市の障害者支援オフィス「ひので」の利用者が手掛けた干し柿を用い、▽パスタ▽イタリアンサラダ「カプレーゼ」▽どら焼き―の3品を考案し、「庄内柿の干し柿づくしランチ」と称したセットメニューを1000円で提供した。
パスタではソースの甘味づけに、どら焼きではあんに練り込む形で干し柿をそれぞれ活用。この日はメンバー7人が厨房に入り、午前11時ごろから事前に予約を受け付けた約30食を順次提供。味わった地元の無職、三浦正博さん(70)は「どの料理もおいしい。カプレーゼの生ハムと干し柿の組み合わせが特にお気に入り」と。退田代表は「干し柿料理に関するノウハウがなく、一からの模索となった。包丁にねっとりした実が付くので大変だった。それでも喜んでもらえる品になったと思う」と話した。
日向里かふぇに隣接する日向コミュニティセンターでは同日、公益大生による「にっこりランド」も同時開催。地元の子どもたちと学生たちが正月遊びで交流を深めた。