2024年(令和6年) 1月24日(水)付紙面より
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鳥海山麓の雪原を散策して楽しむ「鳥海高原雪原トレッキング」が20日、酒田市草津の鳥海高原家族旅行村周辺で行われ、参加者がスノーシューやかんじきを履いて雪上を歩き、自然観察を楽しんだ。
八幡地域観光物産事業実行委員会が主催、鳥海やわたインタープリター協会が主管して開催。同協会は2000年に旧八幡町が主体となり設立した行楽客に鳳来山や玉簾(たますだれ)の滝といった八幡地域の自然の魅力を紹介するボランティアガイド組織。雪原トレッキングは2月に開かれる氷瀑トレッキングと合わせて冬の人気ツアーとなっている。
この日は快晴に恵まれ、庄内一円から定員を超えた24人が参加。同協会の信夫効次会長はじめ会員7人の案内で、参加者たちは鳥海山の標高600メートル付近に広がる高原を約3時間にわたり散策した。
今年の積雪量は0・8―1メートルほどで、信夫会長によると例年の半分以下だという。道中、キツネやウサギ、テンの足跡のほか、ブナの木に付いたクマの爪痕など多くの動物の痕跡があり、「ウサギの足跡の上にキツネの足跡がある。ウサギの慌てたような足跡の様子から、キツネから逃げようと必死に走ったのかもしれない」「このブナはヤマブドウのつるが絡んでいて毎年クマが食べに木に登りに来るから表面が傷だらけ」と会員が解説。参加者たちは興味深そうに耳を傾け、冬季に見られる大自然を満喫していた。
今回で3、4回目の参加という庄内町在住の三浦あけみさん(60)は「天気が良くて歩くのが気持ちよかった。月山や佐渡島が一望できたのには感動した。雪は少なかったが、ヤマザクラやオオカメノキなどの木々のつぼみが赤らんでいる様子など、例年にない楽しさがあった」と笑顔で話していた。