2024年(令和6年) 1月25日(木)付紙面より
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出羽商工会(上野隆一会長)が管理団体としてベトナムから受け入れた技能実習生が約1カ月かけて日本の言葉や生活習慣などを学ぶ「入国後講習」の開校式が23日、鶴岡市大山の同商工会本所で行われた。実習生を受け入れる企業からは「業務における戦力として考えているので、コミュニケーションが取れるようしっかり日本語を学んでほしい」と期待が寄せられた。
同商工会は2019年にベトナムからの実習生の受け入れを開始。しかしコロナ禍の影響で2年ほど受け入れを中断し、22年に再開した。4回目となる今回は18~32歳の男女7人が22日に来日し、同日夜に庄内入りした。約1カ月の日本語講習を受けた後、建設関連の本間工業(鶴岡市友江町)とナンバ建設(同市大針)にそれぞれ男性2人、電子部品製造のサンキョウ(同市山五十川)の酒田工場へ女性3人が来月下旬に配属される。
この日の開校式では、初めに同商工会の熊田洋勝副会長が「皆さん、ようこそ庄内へ。今日は比較的穏やかだが明日には雪が降って一面白銀の世界となり驚くかもしれない。これから1カ月間でしっかりと日本語を学び、日本での仕事も生活も良い思い出として持ち帰ってほしい」と歓迎の言葉を述べた。続いて実習生たちが覚えたての日本語で自己紹介し、「もっと日本語が上手くなりたい。頑張るのでよろしくお願いします」「分からないことばかりですが一生懸命勉強します」などと決意を表した。
今回初めて実習生を受け入れる本間工業の本間貢社長(58)は「仕事を覚えてもらうイコール戦力として考えている。最大の壁は言葉だが、アプリの翻訳ソフトなどを活用しながらコミュニケーションを図り、風通しの良い職場環境を作っていきたい。最終的には日本語で話し合えるようになることを期待している」と話していた。
実習生たちは同日午後、同所で行われたオリエンテーションで今後のスケジュールなどを確認。約1カ月間の講習で日本の言葉や生活習慣、マナー、交通安全、防災などについて学ぶ。
出羽商工会によると、外国人技能実習生受け入れの目的は発展途上国へ日本の技術を伝え、アジア全体の発展に寄与することだが、その一方で地方の人口減少や若者流出などによる企業の深刻な人材不足を解消する貴重な労働力の一つとして、実習生に期待が高まっているという。
熊田副会長は「翻訳ソフトは充実してきているが、最も重要なコミュニケーションの手段は会話。そのためには実習生がしっかり日本語を学ぶ必要があるが、受け入れ企業や管理団体が指導している状況。今後は県や市など行政側の支援が必要となってくる」と話していた。