2024年(令和6年) 1月28日(日)付紙面より
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鶴岡市大山二丁目の陶芸家、中村秀和さん(55)が、日本陶芸美術協会主催の「第11回陶美展」に9度目の入選を果たした。作品は29日(月)まで東京・日本橋高島屋で展示されている。
陶美展は重要無形文化財保持者を含む同協会会員や一般による公募展で、伝統的な陶芸作品はもとより、新進気鋭のオブジェなど幅広いジャンルの作品が寄せられる。入選した中村さんの作品は「青瓷(せいじ)輪文楕円(だえん)大鉢」で、長径が50センチ超の大作。青瓷作品は中村さんが長年取り組んでいるもので、一般的な磁器の青磁ではなく、土物の陶器で、何層にも入る貫入の美しさに魅せられているという。
中村さんが陶芸を始めたのは、地元の高校を卒業後、茨城県窯業指導所ロクロ科修了後、笠間市の荒田耕治氏に師事。1998年に独立し、鶴岡市菱津に工房を構えた。数々の展覧会に入選しており、2021年には酒田市の本間美術館で作陶展を開催したほか、東京都などで個展を開催している。日本陶芸美術協会会員、日本工芸会準会員、山形県美展無鑑査。
中村さんは「自分が思い描いた物が仕上がった時はうれしい。これからも自分が美しいと思える物を作り続けていきたい」と話していた。
日本陶芸美術協会選抜展にも出展が決まり、2月14日(水)から19日(月)まで群馬県の高崎高島屋で開催される。また、自宅に「陶 中村展示室」を開設(中村屋菓子店隣)しており、同じく陶芸家の妻・知美さんの作品とともに展示・販売している。開館時間は午前11時から午後4時まで。