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2024年(令和6年) 1月28日(日)付紙面より

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インバウンド増食の多様性へ対応 鶴岡で研修会 ペスカタリアン、ビーガン料理学ぶ

 「宗教上や健康上の理由で食べられないものがある」といった食習慣のうち、需要の多いベジタリアンについて学ぶ「フードダイバーシティ対応研修会『ベジタリアン研修』」が25日、鶴岡市遠賀原のアル・ケッチァーノアカデミーで行われた。鶴岡市内の料理人や県、鶴岡市の観光、食文化担当職員などが参加し、食の多様性に対応できる知識や考え方を取り入れた。

 DEGAM鶴岡ツーリズムビューロー主催。ユネスコ食文化創造都市の鶴岡市には大勢の外国人観光客が訪れており、今後も増加が見込まれている。宗教観や文化、健康上の理由、思想・思考に基づくものなど「フードダイバーシティ」(食の多様性)に対応する力を地域で養ってもらおうと、研修会を企画した。

 研修会は2部構成で合わせて16人が参加した。午前の第1部ではアル・ケッチァーノオーナシェフの奥田政行さんが講師となり、肉は食べないが乳製品や卵は食べるペスコ・ベジタリアン(ペスカタリアン)について解説。ペスカタリアンに提供する3品を実際に作った。

 午後の第2部は料理家・地域フードプロデューサーで、レストランプロデュースなどに取り組む「Maestranza(マエストランサ)」社長の比嘉康洋さん(東京)が講師を担当し、ビーガン(完全菜食主義者)について解説した。ビーガンは肉や乳製品、卵、魚など動物性の食べ物を一切摂取しないためかつお節などでだしを取ることもNG。

 比嘉さんは「野菜のだしや豆乳、ココナツなどをベースに、調味料は辛みを生かす各種スパイス、塩こうじなどの発酵調味料を用いる。食材は厚揚げ、がんも、湯葉、豆腐など大豆食品がメインとなる。バランスを考えながら調味料と食材を使いこなし、満足感を出すための引き出しを持っておくこと」と説明した。

 最後に「フードダイバーシティ対応は一つの店舗が実践するのではなく、地域全体で取り組むことが重要。提供する料理の幅や多様な対応ができることでお店や地域の魅力と価値が生まれる」と述べた。

 その後、大豆や豆乳などの加工品を利用した「大豆タコスとソイチーズのブルスケッタ」「野菜のルンダン」「ソイティラミス」など6品を比嘉さんが作る様子を参加者たちが見学。試食してビーガンへ対応する調理法のポイントを学んだ。

比嘉さん(右)が大豆や豆乳の加工品を使い、ビーガン対応の料理を披露した
比嘉さん(右)が大豆や豆乳の加工品を使い、ビーガン対応の料理を披露した

比嘉さんが作ったビーガン対応の料理。いずれも動物性食品を使っていない
比嘉さんが作ったビーガン対応の料理。いずれも動物性食品を使っていない



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