2024年(令和6年) 1月30日(火)付紙面より
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鶴岡市の致道博物館の企画展「新収蔵品展『何コレ!?』」が26日、同館で始まった。平成から令和にかけて同館へ寄贈された物品のうち、現代では見られなくなった生活用具や農具、火鉢など珍しい“モノ”が展示されている。見ると思わず「なにこれ?」と口を突いて出そうな、子どもから大人まで楽しめる展示となっている。
近年の寄贈品の中から、奇抜な形や意表を突いた表現など「何コレ?」と思えるコレクション約50点を展示。昔の“モノ”の面白さや奥深さを未来につなぐことを目的に企画した。
ひときわ目を引くのが会場奥に展示された「階段箪笥(たんす)」。2022年に同館へ寄贈されたもので、複数の木製の箱とたんすを組み合わせ、重ねて階段状となっている。天保10(1839)年に製造または購入されたもので、最上段に木質の違う階段が一段補われており、所有していた家より階段箪笥の方が古いと推測される。
また、山茅(尾花)の穂先を主な材料とした防寒具の「オバナボッチ」(尾花帽子)や、絵画や古い写真などでしか見られなくなった俵靴、雪下ろしの際に雪を切り出すため使われたケシキ(ケシギ)など、雪国にまつわる古い生活用具が展示された。
このほか「木製六角火鉢」や「五徳」、容器の下部がとがっていて畳などに置けない徳利の一種「イビリ」など“灰”にまつわる道具や、脱穀したもみに混じるごみを取り除く「ユスリ」、米俵などに突き刺して運びやすくする「コメサシ」などの農具も並んだ。
「誰コレ!?」コーナーでは、掛け軸に描かれた山の神や田の神、養蚕が盛んな地域で信仰された「蚕祖神(さんそしん)」の図などが紹介されている。また、昔の筆記用具「矢立て」にまつわるクイズなども用意されている。
展示は3月11日(月)まで。展示時間は午前9時から午後4時半、2月末まで毎週水曜休館。2月10日(土)、23日(金)は各回午後2時から学芸員によるギャラリートークが行われ、一部の展示品に触れることができる。申し込み不要。問い合わせは同館=電0235(22)1199=へ。