2024年(令和6年) 1月30日(火)付紙面より
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鶴岡市のヤマガタデザインのグループ会社「有機米デザイン」(東京)は、同社が開発した水田の自動抑草ロボット「アイガモロボ」の実証試験の結果をまとめ、23日に公表した。水稲の幼穂形成期に水田の雑草発生を抑えるロボットで、導入した有機栽培の水田では収量が平均10%増加し、機械除草の回数は58%減少した。
農研機構や東京農工大、アイガモロボの販売を担う井関農機と2021、22年に庄内地域を含む全国計36カ所の圃場(ほじょう)で検証した。10アール当たり平均収量は424キロで、各地域の作況指数も加味して導入前と比べたところ、平均で10%増加。また機械による平均除草回数は2・4回から1・0回に減り、0回の圃場も3分の1の12カ所あった。
一方で、11の圃場ではうまく稼働しないケースがあった。水田が平らになっていなかったり、水量不足で動けなくなったりすることも確認された。
アイガモロボは太陽光発電で代かき後の水田を自律航行し、スクリューで水中を撹拌(かくはん)して泥を巻き上げ、光を遮ることなどで雑草の成長を抑制するもの。田植え後3週間程度、稼働させる。有機米デザインによると、これまでに500台製造。昨年1月から井関農機で販売している。幅90センチ、長さ120センチ、重さ約12キロ。価格は1台55万1000円(税込み)。有機米デザインは「雑草防除メカニズムや収量増の要因の解明し、圃場の立地や広さに応じた効果的な運用方法などを提案し、有機栽培を後押ししたい」としている。