2024年(令和6年) 1月30日(火)付紙面より
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旬を迎えた冬のマダラを存分に味わうイベント「酒田日本海寒鱈(かんだら)まつり」が28日、酒田市の中心市街地で開かれ、寒い風が吹く中、大勢の人が熱々の寒鱈汁を堪能した。
庄内の冬の代表的な郷土料理、身や白子、アブラワタ(肝臓)などを丸ごと入れて煮込む「寒鱈のどんがら汁(寒鱈汁)」を観光振興につなげようと、市や市内の商工・観光団体などによる実行委員会が企画した。
37回目となった今年は、中通り商店街、中町モール、酒田駅前交流拠点施設「ミライニ」、さかた海鮮市場、漁師飯「番屋」の5会場で計約2900食を用意した。
この日は快晴に恵まれ、歩行者天国となった中通り商店街と中町モールには午前10時のスタート前から大勢の家族連れらが訪れた。もくもくと湯気が立ち上がる大鍋の前には長蛇の列ができ、来場者たちは待ち望んだ熱々の寒鱈汁を受け取ると、笑顔で頬張っていた。
市内から家族3人で食べに来たという岡部学さん(35)は「今年の寒鱈は身が厚くて、白子もアブラワタもおいしい。初めて食べる娘が喜んで食べているので良かった。自分も子どもの頃連れてきてもらっていたので、一緒に食べに来れてうれしい」と笑顔で話した。
用意した寒鱈汁は瞬く間に売れ、午前11時半ごろに当日チケットは完売、正午前には寒鱈汁が全て売り切れた。想定よりも早い売り切れに、実行委員会は「来年は来場者が満足できるくらいの量を用意したい」と話していた。