2024年(令和6年) 1月31日(水)付紙面より
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鶴岡市温海地域の槙代地区で28日、「つながろう槙代“コロナ収束お礼”綱打ち」と銘打った奉納用のわらのしめ縄作り作業が行われた。地区内の30―80代の男性約20人が槙代公民館に集まり、鎮守の大鳥神社と樹齢400年を超えるといわれる地元の「大ケヤキ」に飾るしめ縄4本を作り上げた。
槙代地区では昔、地区内を流れる小国川に架かる木製の橋が洪水で流されないように橋げたをつなぎ止めるための大縄を、地区を挙げて共同で作っていた。その後、丈夫なロープの普及で綱打ちは一旦途絶えたが、世代を超えたつながりを持たせようと、40年ほど前に共同作業を復活させた。毎年1月の綱打ちに合わせ、自治会が豊作を願う「なし団子作り」とそば打ちも行い、地区の子どもからお年寄りまでが集う世代間交流事業として継続していた。
コロナ禍の影響で今年も、時期を遅らせて男衆による綱打ちだけの行事となった。作業では事前に「わら打ち」で柔らかくしたわらを10本ごと束ねて小さな束を作り、これを継ぎ足しながら長く太い綱に。天井からつるして4人一組で「よーいしょ、よいしょ」と声を掛けリズムを合わせ、ねじをかけていった。最大直径15センチで長さ9メートルの綱1本と、長さ4メートルを2本、3メートルを1本の計4本を約3時間で仕上げた。
槙代自治会の板垣金一会長は「人口減少の一因として集落内のつながりの希薄化が挙げられる。“赤い糸”の集大成として願いを込めて綱を打ち込んでいる」と話した。