2024年(令和6年) 1月31日(水)付紙面より
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酒田市黒森地区に伝わる農民芸能「黒森歌舞伎」(県指定民俗文化財)の歴史などを紹介する企画展「黒森歌舞伎の一年―太夫振舞(たゆうぶるまい)から正月公演まで」が、同市の山居倉庫内・華の館で開かれ、代々受け継がれている衣装、資料などが並んでいる。
黒森歌舞伎は江戸時代から黒森日枝神社に奉納されたといわれる農民歌舞伎で、雪の中で上演、観覧することから「雪中芝居」「寒中芝居」とも呼ばれる。2月15、17日の正月公演を前に、広く市民や観光客に黒森歌舞伎について知ってもらおうと、華の館で初めて展示した。
演目を決める「太夫振舞」や芝居の成功と地域の安寧を願う「お面開き」などの年中行事をパネル写真で紹介しているほか、「絵本太功記」などで立役が着用する1919(大正8)年に奉納されたと伝わる衣装「黒地石橋模様四天」や、お面開きで使われる三番叟(さんばそう)の面のレプリカ、1896(明治29)年に書かれた「義経千本桜」の台本などの資料が並ぶ。
勇ましい獅子など見事な刺しゅうが施された衣装や、江戸末期の上演記録が書かれた「妻堂帳」など、歴史的にも貴重な品々に、来館者たちは興味深そうに見入っていた。
展示は2月19日(月)まで。正月公演は同市の黒森日枝神社で上演される。