2024年(令和6年) 2月2日(金)付紙面より
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能登半島地震で庄内沿岸などに津波警報・注意報が発表された際、鶴岡市の鼠ケ関験潮場で津波の正確なデータが得られなかったことを受け、設置者の国土地理院は31日、現地で原因究明に向けた潜水調査や導水管などの清掃作業を実施した。撮影した海中写真などを基に原因を分析する。
鼠ケ関験潮場は1955(昭和30)年に設置された。昨年12月17日ごろから潮位を正確に計測できなくなり、1月11日に自然復旧し、正常な値を示すようになった。潮位を観測する直径10センチほどの海水導水管が砂や海藻などで詰まり、正確なデータを収集できなかった可能性が高いという。昨年10月の点検では異常はなかった。過去にも3回ほど同様のケースがあったが、いずれも自然復旧している。
潜水調査には国土地理院の担当者や点検を請け負う業者が訪れ、岸壁にある取水口付近の状況を水中カメラで撮影した後、取水口のフィルターや導水管、計測器そばにある沈砂用井戸を清掃した。立ち会った国土地理院測地観測センター地殻監視課の芝公成課長は「撮影した画像を改めて確認し、潮位データと照らし合わせて原因を分析していきたい」と話した。