2024年(令和6年) 2月6日(火)付紙面より
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「立春」の4日、鶴岡市大山三丁目の蔵元・加藤嘉八郎酒造(加藤有造代表取締役)で、同日未明に搾った“縁起酒”をその日のうちに消費者へ届ける限定酒「大山 立春朝搾り」の出荷が行われた。
早朝に搾り上げ、無病息災や商売繁盛のおはらいを受けた縁起酒をその日のうちに楽しんでもらおうと、1998年から日本名門酒会(本部・東京都中央区)が全国の加盟蔵元を通じて販売している。今年、県内では加藤嘉八郎酒造と千代寿虎屋(寒河江市)の2蔵元で仕込みが行われた。
近年は国外でも日本酒の需要が増加しており、現在は欧米をはじめ台湾やシンガポールなどアジア圏合わせて32カ国と取引があるという。今回、地元をはじめ県内外のバイヤーや小売店などのほか、台湾の代理店が立春朝搾りを受け取りに加藤嘉八郎酒造へ足を運んだ。
同酒造はこの日、午前2時20分ごろから瓶詰め作業や「大山 立春朝搾り 令和六年甲辰二月四日」のラベル張りが行われた。同8時にはご祈祷(きとう)が行われ、荘内神社の石原純一宮司が無病息災や商売繁盛などの祈りを込めて出荷を待つ酒をお清めした。
同酒造の立春朝搾りは県内産の酒米・出羽燦々で仕込み、精米歩合50%の純米吟醸生原酒に醸した。今年は720ミリリットル詰め(税込み1980円)は5900本、1・8リットル詰めの一升瓶(同3795円)は1850本を瓶詰めした。加藤嘉隆取締役は「今年も春を感じるようなおいしい酒ができた。芳醇(ほうじゅん)で香りも良く、米の優しい甘みが伝わってくる立春朝搾りを多くの人に味わってもらいたい」と話していた。