2024年(令和6年) 2月7日(水)付紙面より
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酒田市升田の名瀑「玉簾(たますだれ)の滝」の氷結した姿などを楽しむトレッキングが4日、同市八幡地域で開かれた。今年は暖冬の影響で升田地区の積雪は約50センチ、日向地区の積雪は約30センチと、例年に比べかなり雪が少なく、滝の氷結も一部にしか見られなかったが、少雪の中でも参加者たちは雪原散策を楽しんだ。
2000年に旧八幡町が主体となり設立したボランティアガイド組織「鳥海やわたインタープリター協会」(信夫効次会長)が主催。同協会は八幡地域の自然環境を紹介するツアーを季節ごとに企画しており、氷瀑トレッキングは冬の人気イベントとして例年2月上旬に開催している。
この日はスタッフを含め、40―70代の男女23人が参加。升田地区の産直「ららら」の駐車場から10分ほど歩いて御嶽(みたけ)神社を抜けると、奥に大きなつららに囲まれた玉簾の滝が。冷え込みが少ない影響でつららがつながらず、滝の裏側が見える状態だったが、参加者たちは冬にしか見られない神秘的な滝の姿に感嘆の声を上げ、しきりにシャッターを切っていた。
その後、旧日向小学校を活用した「日向里(にっこり)かふぇ」を経て北緯39度、東経140度が交わる「ポイントゼロ」へ。道中キツネ、カモシカ、ウサギ、リス、テンなどさまざまな動物の足跡が見られ、参加者たちは「カモシカは名前に『鹿』が付いているが偶蹄(ぐうてい)目で『牛』の仲間。ひづめの跡を見るとよく分かる」「リスは歩幅も足跡も小さく見落としがち。見つけられたのはラッキー」など信夫会長の解説を面白そうに聞いていた。
約6・5キロ、約3時間のコースを歩き切り、ゴールの御滝(みたき)神社「不動の滝(開運出世の滝)」に到着。残念ながら不動の滝は氷瀑の様子が見られなかったが、参加者から充足感ある笑みがこぼれていた。参加した佐々木良子さん(76)=同市若宮町一丁目=は「初めて参加した。歩くコースもつらくなく、景色を楽しみながら歩けて良かった。滝も全部は凍っていなかったが、大きなつららの横を水が落ちていく様子は見応えがあった」と笑顔で話した。
市八幡総合支所によると、玉簾の滝の遊歩道は冬期間、土日祝日に限り除雪されていることもあるが、積雪が多い日は雪で埋もれる可能性もあるため、長靴や雪用ブーツなどの準備が必要という。