2024年(令和6年) 2月8日(木)付紙面より
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江戸後期から明治中期にかけて北前船舟運で栄えた酒田市船場町一丁目の旧家を活用した観光施設「酒田湊旧廻船問屋『家坂亭』」で6日、酒田商工会議所おもてなし部会(加藤明子部会長)と鶴岡商工会議所観光部会(橋本政之部会長)の懇談会が開かれ、亭主・小松尚さん(71)=9代小松屋又三郎=の講話を通して関係者が酒田の文化について理解を深めた。
両部会は酒田、鶴岡の長所を学びながら庄内の観光拡大につなげようと、毎年定期的に相互交流している。この日は両部会の部会長や副部会長ら10人が参加。
小松さんは「湊町酒田発展の歴史について」と題して講話。「北前船を通して酒田には上方の文化が入り、それが原点になっている。若い人や外から来る人たちに酒田の魅力を少しでも伝えていければ」と家坂亭を開いた思いを語った。また「本間家や鐙屋は総合商社だが、家坂亭は専門商社。桐油(とよ)などを売っていたので青山留吉をはじめとする漁師がお得意様だった。そうした背景からビスクドールや書画など珍しい輸入品が持ち込まれた。長い文化や歴史をたどったものが今にある。当時の雰囲気が感じ取れる物や、それにまつわる話を伝えることで新しい発見を得られることも観光やおもてなしの一つだと思っている」などと話し、参加者は熱心に聞き入っていた。