2024年(令和6年) 3月1日(金)付紙面より
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若手研究者の優れた研究成果をたたえる第22回県科学技術奨励賞の授与式が28日、県庁で行われた。庄内からは鶴岡工業高等専門学校准教授の伊藤滋啓さん(38)とメタジェン(鶴岡市)取締役COO・CIPOの村上慎之介さん(35)の2人がそれぞれ受賞した。
若手研究者の確保や研究意欲の向上を目的に2002年度から40歳未満の研究者を対象に表彰している。本年度は伊藤さんら3人が受賞した。
伊藤さんはセラミックスを使った個体酸化物形燃料電池(SOFC)の添加剤を独自に開発した。SOFCは発電性能が高く建物などへの実用性が期待される一方、高温動作による安定性やコスト面が課題になっている。添加剤は発電性能を維持したまま温度を下げることでコスト削減や長期運転が可能になる。
村上さんは非凍結型の腸内環境検査用の便採取・保管キットを開発した。乾燥剤の導入により便を常温で保存・輸送でき、従来の冷凍保存に比べて便中の生菌の採取や代謝物質の測定が可能になった。授与式では吉村美栄子知事が「優れた功績を挙げ本県の科学技術の振興と発展に貢献された」とあいさつし、受賞者に表彰状を手渡した。