2024年(令和6年) 3月6日(水)付紙面より
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5日は冬ごもりをしていた虫が動き出すとされる二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」。鶴岡市の鶴岡公園ではこの日、松の幹に巻いていたわらの「こも」を取り外す「胴巻き外し」の作業が行われ、春を迎える準備が本格的に始まった。
松の胴巻きは、樹木に害を及ぼす虫の越冬習性を利用した伝統的な駆除方法の一つで、同公園では1963(昭和38)年から行われている。晩秋にこもを巻き、早春に外して焼却する。今季は園内のアカマツやクロマツ、五葉松の計84本に巻いた。
市の委託を受けたシルバー人材センターの6人が2人一組になって作業に当たった。リーダー役の佐藤由蔵さん(78)は「先日降った雪が少し残っているが、毎年この作業に取り掛かると春が来ると感じる。暖かかったり寒かったりを繰り返して、今年も花見の時期を迎えるのだろう」と話していた。
市街地に春を告げる風物詩ともなっている胴巻き外しは半日で終え、公園内の雪囲いの取り外しも順次進められる。