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2024年(令和6年) 3月12日(火)付紙面より

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救いの手があったから今がある サヘルさん鶴岡で講演 戦災孤児の体験人道支援語る

 「国際女性デー」の8日、鶴岡市余慶町の鶴岡協同の家こぴあで田川地区集会が行われた。俳優で人道支援活動に取り組んでいるイラン出身のサヘル・ローズさん(38)が講演し、イラン・イラク戦争(1980―88年)のさなかに孤児となった経験や、世界中の子どもたちの支援活動などについて語った。

 サヘルさんは8歳で養母と共に来日し、高校生から芸能活動を始めた。映画「冷たい床」で主演を務め、ミラノ国際映画祭で最優秀主演女優賞を受賞。映画や舞台で女優としての活躍の幅を広げている。芸能活動以外にも国際人権団体NGO「すべての子どもに家庭を」の活動で親善大使を務めたほか、世界中を巡って難民キャンプや孤児、ストリートチルドレンなど子どもたちの支援活動に尽力しており、2020年に米国で人権活動家賞を受賞。昨年はGIORGIO ARMANI「クロスロード」の日本代表にも選ばれた。田川地区集会は庄内地域の各労働組合や婦人団体有志でつくる実行委員会(竹田佳代委員長)が毎年開催している。今回は市民など160人余りが聴講した。

 サヘルさんは「出会いこそ、生きる力」の演題で講演。孤児院で生活していた時に出会った養母に引き取られ、8歳で来日し埼玉県で暮らし始めた経験について「言葉も文化も全く違う国に来て、小学校にはお昼の給食を食べに来ていたようなもの」と語った。

 その後、やむを得ない事情のため母子二人で2週間ほど真冬の公園でホームレス同然の暮らしを経験。小学校の給食調理員をしていた女性が、サヘルさんが毎日同じ服を着ていることに気付き、自宅の一室を提供してくれた思い出を話し「母も給食のおばちゃんも、私が出会った女性はみんな強い人ばかり。この人たちが救いの手を差し伸べてくれたから今の私がいる」と述べた。

 そうした思い出を語りながら「家族でも友人でも対話が大事。『嫌い』と切り捨ててしまうことは簡単だが、人とつながりを持つことは難しい。自分を見つめてくれる人がいるということはどれほど幸せなことか、皆さん考えてください」と呼び掛けた。

◇    ◇

 国際女性デーは20世紀初頭、米国の女性たちがパンと参政権を求めて起こした行動に学び、1910年の国際社会主義女性会議で「世界の女性の統一行動日」として設立された。毎年3月8日は世界の女性が「パンと権利と平和」を求め、一斉に立ち上がる日として世界中でさまざまな活動が行われている。

戦災孤児の体験や来日後の生活、出会った人たちの温かさなどを語るサヘルさん
戦災孤児の体験や来日後の生活、出会った人たちの温かさなどを語るサヘルさん



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