2024年(令和6年) 3月13日(水)付紙面より
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これから旬を迎える山菜に焦点を当て、山菜への理解を深めようと「食の都庄内」交流会が11日、三川町のいろり火の里なの花ホールで開かれた。庄内の2市3町と県庄内総合支庁で構成される「食の都庄内」ブランド戦略会議が主催し、「食の都庄内」サポーターや食に携わる協力店から約120人が参加。山菜に詳しい専門家の話を聞いたり、料理を味わったりして交流した。
山菜は古くから庄内の地域文化に深く根付いた食材だが、近年は西洋料理でもその土地に根付いた食材を味わう「ワイルドガストロノミー」の中で魅力的な食材として注目を集めている。庄内の山菜と食文化について理解を深め、山菜の深い味わいを各方面に発信しようと開催した。
第1部は講演と事例紹介。出羽三山神社羽黒山参籠所「斎館」料理長の伊藤新吉さんが「精進料理と山菜を支えてきた文化と人」、山菜卸問屋「遠藤商店」の遠藤初子さんが「本物の山菜の価値を料理店や消費者へ」、COCOSATOの三浦友加さんが「山菜で地域おこし!里山を活用した魅力づくり」と題して発表。第2部では山菜を使い、伊藤さんが精進料理、三浦さんが薬膳カレー、本町バル「ハレトケ」の佐藤昌志さんが洋食、産直あさひグーの佐藤照子さんが郷土料理、創作野菓「晶芯道」の佐藤あゆ子さんが創作菓子を提供。料理を味わいながらあく抜きの仕方や山菜採りのルールなどについて“山菜トーク”を繰り広げた。
その中で、キノコの保存法は主に塩蔵だったが、近年は冷凍が良いとされ、ハレトケの佐藤さんは「自分はチャック付きの保存袋に70グラムずつ分けて冷凍している。すぐに調理できて便利」と紹介。また会場からは、黒川能の振る舞いで出される山菜料理の調達が難しいという現場の声も出された。斎館の伊藤料理長は「山菜には病気の予防になるものもある。山菜は当たり前のものと思いがちだが、よそから来る人からうらやましがられるものを食べているのだということを知ってほしい」と話していた。