2024年(令和6年) 4月3日(水)付紙面より
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絵の具の匂いや指先の感覚だけで桜の絵を描く多感覚型ワークショップ「OPAQUE―くらがりのてがかり―」が、31日まで鶴岡市北京田のキッズドームソライで行われた。家族連れが多数参加し、ケント紙や館内の壁にたくさんの花を咲かせた。
ソライが企画し、講師は画家・壁画師の小林舞香さん(37)=山形市在住=が担当した。舞台製作や企業との商品コラボレーションなど多岐にわたって活躍する小林さんは、2019年にタイ・バンコクで地元の視覚障害者支援団体と連携して壁画アートプロジェクト「Art Can Help You」を開催。3日間で1500人の参加者を集めた。
今回のワークショップはバンコクでの活動が下敷きとなっており、親子で視覚障害者の世界を体験しながら「どんな人でも芸術を楽しめる」ことを知ってもらおうというもの。
ワークショップは3月17、20、23、24、30、31の計6日間開かれた。このうち30日は7組の親子連れなど17人が参加。目隠しをした子どもの鼻先に保護者が香りのする絵の具を近づけるなどサポートした。嗅覚のみで決めた色を使い、花の形に型抜きした紙とスタンプでケント紙に桜の花を描いた。目隠しをする役を交代し、子どもが保護者のサポートをする姿も見られた。
仙台市から母と2人で参加した大沼さやさん(9)は「好みの匂いで色を選んだら紫色で、想像通りの色だったのでびっくりした。目が見えなくても色を塗ることができることを知った」と話していた。参加者たちは館内の壁にも桜を描き、壁画は31日に完成した。