2024年(令和6年) 5月25日(土)付紙面より
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酒田市の南平田小学校(木村克範校長、児童210人)の5年生36人が23日、学校近くの水田でかすりの着物に「ハンコタンナ」を着けるなど、伝統の装束で田植えを体験した。
同校では1993年から毎年、5年生の総合学習の一環として同市飛鳥の農業、土田伸平さん(35)の水田10アールを借り、稲の観察学習に取り組んでいる。この日は男子はすげがさ、女子はかすりの着物にもんぺ、顔を覆うための黒布「ハンコタンナ」を着用。土田さんから「一度に植える苗は5、6本が目安」「苗の下の葉が見えるくらいの深さで」など注意点を聞いた後、素足で田んぼに入り「つや姫」の田植え作業を行った。
青空が広がる絶好の田植え日和の中、児童たちは恐る恐る田んぼに足を入れ「イヤー、倒れそう」「変な感じ」と口々に話していたが、慣れてくると楽しそうに苗を5、6本ずつ丁寧に植えていた。
1時間ほどかけて5アールの田植えが終了。阿部柚葉さん(10)と後藤心実(ここみ)さん(11)は「田んぼの中は歩きづらかったし、ハンコタンナは暑く感じた。昔の人はすごいと思った」と感想。土田さんは「体験を通して農業を身近に感じて、興味を持ってもらえたら」と話した。
児童たちは稲の観察学習などを進め、10月に稲刈り体験、11月には収穫感謝祭を行う予定。