2024年(令和6年) 5月25日(土)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館・魚匠ダイニング沖海月の須田剛史料理長(48)が先月下旬、米国・ハワイに日本料理の講師として招かれた。ハワイ大学、カウアイ大学、カピオラニコミュニティカレッジの3カ所を訪問。現地の高校生や大学生、料理人合わせて計100人に鮮魚の扱い方を伝えた。日本料理に関心を示す受講生が多く、講習会の様子は全米にテレビ中継された。カウアイ郡(人口約5万8000人)の川上デレク郡長は「今後もユネスコ食文化創造都市の鶴岡市と友好関係を深めたい」と須田料理長に熱意を伝えた。
ハワイの「Pacific Islands Fisheries Group」(太平洋諸島漁業グループ)が昨年、山形県を視察訪問した際、須田料理長と出会ったことがきっかけ。グループの代表者が「高校生や大学生に日本料理の歴史を含めた本質的な部分を教えてほしい」とハワイ来訪を熱望した。
今回の滞在期間は先月23日から28日までの6日間。山形の魅力を世界に発信する観光プロモーション会社「The Hidden Japan」(ヒドゥンジャパン、山科沙織代表、酒田市新橋二丁目)を通してハワイに入り、鮮魚のさばき方や刺し身の作り方、握りずし、米のとぎ方を教えた。
講習会の参加者は「日本料理がとても繊細なことを学んだ」「(米国と違って)鮮魚の扱い方がとても丁寧」と興味津々。中でも日系人の川上デレク郡長は山形県と鶴岡市の風土や食文化に高い関心を示した。
コーディネート役と通訳を務めたヒドゥンジャパンの山下デレクさん(31)は「全米で和食ブームが続いている。中でもハワイは日系人が多く、日本とのつながりを大切にしている人がたくさんいる。何よりもハワイと山形県、鶴岡市との国際的な架け橋ができて良かった」と話していた。
須田料理長は「和食文化が海外で高い評価を受けている。参加した受講生はとても熱心な方が多かった。今後、ますますハワイと鶴岡市の友好関係が深まることを期待したい」と語った。太平洋諸島漁業グループから「また来てほしい」と懇願され、来年もハワイを訪問する。