2024年(令和6年) 5月26日(日)付紙面より
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天然岩ガキ漁が23日、吹浦海域と酒田海域で解禁され、庄内浜の夏を代表する味覚の水揚げが始まった。翌24日、「吹浦の岩牡蠣(がき)」のブランドで知られる遊佐町の吹浦漁港には、近くの突堤で素潜り漁を終えた漁船が午前10時ごろから相次いで帰港。漁師たちは市場への出荷に備え、文字通り「岩」と見まがうような塊に向き合い、びっしりと付着した海藻や余分な殻などをナタや包丁を使って取り除く「カキたたき」と呼ぶ作業に精を出した。
海底から湧き出すミネラルたっぷりな鳥海山の伏流水が混じった海水で育つ吹浦の岩ガキは、大ぶりで濃厚な味とぷりぷりとした食感が好評。水揚げがあると待ち望んでいた県内外の“ファン”が舌鼓を打つ。
同町菅里の漁業、栄田俊輔さん(41)は、第2春日丸を操船して素潜りを繰り返し、2時間余りで約60キロを水揚げた。父親の修一さん(69)は「漁が始まったばかりにしては身入りが良く、甘味も十分」と太鼓判を押した。
漁は岩ガキの産卵が始まる8月中旬ごろまで続く。