2024年(令和6年) 5月28日(火)付紙面より
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本県唯一の離島・飛島の自然豊かな環境を守ることを目的とした清掃活動「飛島クリーンアップ作戦」が25日、島内の荒崎海岸一帯で行われ、酒田市内外から参加したボランティア有志や島民計約200人が散乱した漂着ごみを拾い集め、汗を流した。
NPO法人パートナーシップオフィス(同市、西村修理事長)を中心に、市や県産業資源循環協会、東北公益文科大地域共創センター、酒田海上保安部などで組織する実行委員会(実行委員長・笹村司NPO法人美しい庄内代表理事)の主催。飛島西海岸は「日本の渚100選」にも選ばれている景勝地だが、対岸からとみられる漂着ごみが多く、環境汚染が大きな社会問題となっている。
この日は青空の下、10―70代の男女有志が集まり、荒崎海岸の約200メートル区間でプラスチック類、発泡スチロール、漁網、ロープ、ハングルや中国語が書かれたビン・缶などを手分けして拾い集めた。
公益大4年の森本大晴(たいせい)さん(21)=秋田県美郷町出身=は「参加は2回目。昨年の作戦から1年で海岸のごみ状態が戻ってしまい残念。島の清掃活動は全国のごみ問題にもつながると思う」と。初参加という酒田海保職員の佐藤雄太さん(31)は「思ったよりごみが多い印象。飛島の環境を初めて知った」と話していた。
約2時間半ほどの作業でごみ袋1050袋、推定約2・5トンものごみが集まり、海岸は見違えるほどきれいに。集めたごみは参加者で力を合わせ、“バケツリレー”でトラックに積み込んだ。今後、総合建設業「みなと」(同市、川合章社長)の船で酒田港に運び、処理するという。
事務局のパートナーシップオフィスの金子博副理事長は「天候の影響からか昨年より多くのごみが漂着していた。海洋ごみ問題の政策に対し目に見えて減らないのが現実。陸のごみ対策は着実に進んでいるが、海はより国際的な協力が必要」と話した。清掃終了後、参加者たちは港近くの芝生公園で昼食、島内の散策やバードウオッチングなど、定期船が来るまでの間、島の自然を楽しんだ。