2024年(令和6年) 5月31日(金)付紙面より
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プロジェクションマッピング・ウェブ制作などデジタル技術を活用したサービスを展開する「AddWill」(酒田市上安町二丁目、武田悠社長)による謎解きとプロジェクションマッピングを組み合わせた体験型美術イベントが、酒田市美術館市民ギャラリーで開かれ、目に鮮やかな「光のアート」の数々、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を介した謎解きが来館者を楽しませている。
同社は、システムエンジニアとして都内の大手広告会社に勤務していた同市出身の武田社長(27)が新型コロナ禍を機に23歳でUターン、テクノロジーを駆使したエンターテインメントで多くの人を笑顔にしたい、生まれ育った古里に多くの人を呼び込みたいと起業した。同市の山王くらぶや玉簾の滝、鶴岡市の加茂水族館、玉川寺などで自ら制作したプロジェクションマッピングを発表、高い評価を得ている。
「より子どもたち、若者が楽しめる場所を」(武田社長)と今回、2カ月ほどで「レッサーパンダ探偵と美術館からの大脱出」と称する、プロジェクションマッピングと謎解きを融合させた体験型美術イベントを構築した。
メインの作品は、昨秋に酒田市の鳥海高原家族旅行村で開催されたアートイベントに出品したプロジェクションマッピング「生命の滝」。「美術館に閉じ込められた」という設定の参加者は、ラインで届く「生命の滝」にまつわる数々の謎を解いて鍵を入手し、脱出を図るというストーリー。壁面には庄内地域の美しい風景が投影されている。動画部分の声の出演は鶴岡市出身の歌舞伎役者、中村橋吾さんが担当した。
武田社長は「より多くの人が楽しめる、分かりやすいエンターテインメントを作りたかった。子どもだけでなく、大人も楽しんでほしい」と話した。
1回当たりの所要時間は30―40分。脱出後、アンケートに答えると県産品が当たる抽選券がもらえる。対象はラインを操作できる小学生以上だが、未就学児も入場可。入場料は大人800円、中学生以下400円。未就学児は無料。イベントは6月2日(日)まで。