2024年(令和6年) 6月7日(金)付紙面より
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鶴岡市の「いこいの村公園」チューリップ園で2日、開花を終えたチューリップの球根掘り作業が行われた。ボランティア40人ほどが参加し、来春に向けて丁寧に球根を掘り上げた。
チューリップ園は庄内の春の風物詩として長く親しまれてきたが、2016年度に旧いこいの村庄内の閉鎖に伴い、いったん植え付けが休止された。その後、市民有志でつくる「庄内チューリップ倶楽部」(中村恵二代表)を中心とする市民ボランティアの協力で、20年に一般公開を再開。今季も2ヘクタールの園内で約3万球の色とりどりのチューリップが咲き誇り、多くの来園者を楽しませた。
チューリップ園の維持には、開花後の初夏の球根掘り上げと天日干し、夏にかけての球根の皮むきと根切り、秋の畝(うね)立てと植え付けの穴開け、植え付けなどの作業が必要。再開当初は同倶楽部のメンバー約30人が作業を担ってきたが、メンバーの高齢化や減少で作業とともに園の維持が困難となっていた。
そこで、いこいの村公園を管理する鶴岡市を通じて、一連の作業に協力してくれる団体や個人を募集。さまざまな方面からボランティア参加の応募があった。
球根掘り上げ作業の初日となったこの日は、これまでもボランティアを続けてきた庄内郵便局長会と夫人会の会員や一般の参加者、市職員らが移植ベラを使ったり、手で掘るなどして球根を土から取り出した。約40人による2時間ほどの作業で、1万球ほどの球根を掘り上げた。参加者たちは「こうして手を掛けてあげないと、きれいなチューリップは咲かない。腰が痛くなる作業だが、来春のきれいな花を思い浮かべながら頑張る」と作業に汗を流していた。
掘り上げは9日も行われ、花の色別にトレーに分別にして天日干し。その後、今月中旬にかけ、協力を申し出た市内8保育園・幼稚園の園児たち150人余りが遠足でいこいの村公園に訪れた際、球根の外皮の皮むきと根切りのボランティア作業を行う。
掘り上げ作業を指導した同倶楽部の中村代表は「チューリップ園の維持作業がわれわれだけでは困難になり、実は今年の球根掘り上げは行わず来春から公開はやめようと思っていた」と話し、「市に相談してボランティア募集を行ってもらい、園児も含めて多くの人から協力の申し出があった。今季も園内の募金箱にはたくさんの募金を頂いた。皆さんから喜んでもらうために、また頑張りたい」と、きれいなチューリップを咲かせようと奮闘するボランティアの姿に活力を得ていた。