2024年(令和6年) 6月7日(金)付紙面より
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循環型農村経済圏(スマートテロワール)の構築に取り組む山形大学アグリフードシステム先端研究センター(YAAS・ヤース)は大豆の畑作農家、納豆会社、地元スーパーと連携した「まるごと庄内産スマテロ納豆」を作った。7日から鶴岡、酒田両市のスーパーで販売を始める。
「スマテロ納豆」は2018年に開発した「スマテロ味噌(みそ)」に続く第2弾。新たな大豆製品を生み出そうと昨秋から試作を繰り返してきた。
大豆栽培は鶴岡市の「叶野農場」、納豆製造は酒田市の老舗「加藤敬太郎商店」が担当。鶴岡市の「主婦の店」4店舗と酒田市の「ト一屋」5店舗で販売する。30グラムのパック2個入りで価格は130円(税別)。当面は1カ月700パック(9店舗合計)を売り場に出す。
叶野農場で収穫した大豆は山形大学農学部の学生らが選別し、大粒は「スマテロ味噌」に使用。今回、中粒を「スマテロ納豆」に活用した。残るくず大豆は飼料の高騰が続く養豚の餌に回す。庄内というエリアで農家→企業→食料品スーパー→消費者→畜産(養豚)→肥料化→再び農産物生産のサイクルを持続可能にする。
山形大学農学部の浦川修司教授(畜産学)は「循環型農業と自給経済圏の社会実装を進め、実現させることが私たちの大きな目的。スマテロ納豆は一般販売だけでなく、学校給食に使ってもらうよう働き掛けていきたい」と語った。
今後は叶野農場のほかに2軒の農家が大豆栽培の仲間に入る。畜産分野では庄内豚の「スマテロ生ハム」の開発も進めている。