2024年(令和6年) 6月8日(土)付紙面より
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庄内町の新産業創造館クラッセのアンテナレストランスペースに、今月3日から町内の障害者福祉サービス事業所で手作りしたケーキやプリンを販売する「喫茶コーナー」がオープンしている。同事業所利用者が接客も担当し、接客する利用者も「お客さんと触れ合うのは楽しい」と手応えを感じている。
同施設内「食のアンテナレストランスペース」を活用し、交流イベントの開催や創業支援、チャレンジ食堂など同町が進める「つながり創出拠点『マチバ』事業」の一環。同事業所の商品PRや利用者の社会参画などを目的に、町社会福祉協議会(奥山賢一会長)が取りまとめ役を務め、町内の就労施設みなみ(庄司武晴代表)、自立訓練事業所yao8(佐藤佳範代表)、障害者多機能型施設ひまわり園(高橋克幸園長)の3施設が参加した。
喫茶コーナーは毎週月―木曜日の午前10時―正午開設。ゆったりとコーヒーなどの飲み物が楽しめるほか、地元食材などを使い、3施設が製造しているラズベリーやマンゴー、チョコレートなどの手作りプリン、米粉のシフォンケーキ、カップタイプのサラダうどん、手作り野菜、コーヒーロールなど約10種類のスイーツや野菜を販売。接客も3施設の利用者4―5人が日替わりで務める。
このうち、5日にはひまわり園やyao8の利用者が、手作りプリンなどを笑顔で客に手渡すなどしていた。接客に当たったひまわり園の30代女性利用者は「商品の出し入れやお客さんへの手渡しなどとても楽しい」、yao8の10代女性利用者は「レストランスペースでの販売は初めてなので少し緊張するが、お客さんと触れ合うのは自分にとってとても良いこと」とそれぞれ手応えを話した。また、県の就労継続支援事業所利用者平均工賃(賃金)月額は2022年実績では全国と比べてもかなり低く、みなみを運営する翔陽会の庄司佳寿事務長は「施設側としてもチャンスと捉え、サービスを広げていきたい」と工賃アップにもつなげたい考えだ。
奥山会長は「将来的には庄内町だけでなく他市町の施設の商品も取り扱うことができれば」と期待を述べた。利用者の体調などを優先するため喫茶コーナーは休む場合があるという。実施状況などの問い合わせは町商工観光課商工労働係=電0234(42)0138=へ。