2024年(令和6年) 6月9日(日)付紙面より
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今月1日に鶴岡市の鶴岡ドリームスタジアムで行われた第40回県軟式野球クラス別選手権大会Aクラスで、酒田市の社会人軟式野球チーム「ビーチボーイズ」が初優勝した。これまで企業チームの牙城を崩すことができず、クラブチームとしても40回目にして初の優勝。今季からチームを率いる菅井達也監督(28)=同市=は「長年にわたって先輩たちが作り上げてきたチーム。これからも一つでも多く勝ち進みたい」と話した。
ビーチボーイズは酒田三中、酒田南高の野球部OBを中心に2001年に結成。これまでにも社会人野球の全国大会に出場したことがある実力チームで酒田地区では唯一、全日本軟式野球連盟Aクラスに所属。少ない好機を小技も使って確実にものにし、力のある投手陣が守り抜く野球が特長。
野球人口減少に危機感を抱き、19年から「まずは投げること、打つことの楽しさを教えたい」と選手・スタッフが地区内の幼稚園・保育園などに出向き、野球の入り口とされるティーボールを指導する「ボールであそぼう―訪問型やきゅう体験」と銘打ったボランティア活動を新型コロナ禍前まで展開していた。
今大会には県内のAクラス3チームがエントリーし、総当たり戦で行われた。ビーチボーイズは公徳会佐藤病院に5対3、キングドルフィンに3対0でそれぞれ勝ち優勝した。酒田地区所属チームの優勝は第3回の前田製管(酒田市)以来。これまでは同社はじめ佐藤病院、東北パイオニアといった企業チームが優勝し続け、クラブチームとして初めて頂点に立った。
佐藤裕介主将(29)=同市=は「『打たないと勝てない』と木製バットを振り込むなど打撃を強化したのが奏功した」と。今大会も好機を確実にものにし、右上手の古瀬瑞希(30)、長谷川健太(33)両投手を中心に守り抜いた。
今回の優勝でビーチボーイズは東北軟式野球連盟会長旗争奪軟式野球大会、水戸市長旗東日本軟式野球大会への出場権を得た。菅井監督は「長くチームを支えてくれた先輩たちを胴上げすることができ、本当に良かった。日頃から応援してくれる人、家族に感謝」と話した。
一方、ビーチボーイズによると、新型コロナ禍で中断していたティーボール教室を今季から再開する考えという。